ドミノ・ピザ
April 6, 2009

ゾンビと私 その1 「28週後……」

「28週後……」●どうしてこんなにもゾンビにひきつけられるだろうか、そしてなぜゾンビはこんなにも恐ろしいのだろうか。ゾンビ、見たい、すごく見たい。でも怖い、すごく怖い。ワタシは怖い映画が苦手なのだ。昨夜、意を決してWOWOWで録画しておいた「28週後……」(ファン・カルロス・フレナディージョ監督/ダニー・ボイル製作総指揮)を見はじめた。いきなりゾンビ映画ならではの「イヤ~な感じ」が満載で、20分ほど見たらもう怖くて見てられなくなった。「怖さ」が「怖いもの見たさ」を超えてしまいギブアップ。もう忘れよう、前作の「28日後……」も怖かったが、この続編「28週後……」はそれを超えるバッド・テイスト。この映画はもう見ない。
●翌日、太陽が天高くまで昇ると、昨夜「見ない」と決めたばかりの「28週後……」の続きがどうしても気になった。今なら明るいからきっと大丈夫。ふたたび再生すると、そこには予想通りの、いや予想以上のイヤ~な展開が繰り広げられる。
●舞台は前作と同じくロンドン。ダニー・ボイル監督の前作「28日後……」では、霊長類を凶暴化させるレイジ・ウィルスが猛威をふるって、イギリスから人が死に絶えるという話だった。これは「ゾンビ」とは名乗ってないんだけど、ルール的にはゾンビと同様。レイジ・ウィルスの感染者はあっという間に凶暴化して、人間を襲ったり食ったりする。襲われた人間はすぐに感染して、自分もゾンビ化する。血液とか唾液でも感染するけど空気感染はしない。感染者は知性も言語も失う。これは最近のゾンビ映画の潮流みたいなんだけど、こいつら、走るんすよ。全力で疾走するゾンビ。これが怖い。太陽と緑に輝く美しい田園地帯を、人間が死に物狂いで走って逃げ、それを血まみれになったゾンビの集団が大またで走りながら追いかける。怖すぎる。もうイヤです、かんべんしてください……。
●で、前作でロンドンはゾンビの街になるんだけど、爆発的なゾンビ人口の増大によって食糧難になり、ゾンビは餓死したという設定で、28週後、アメリカ軍の管理のもとでロンドン復興がはじまっている。もちろん、復興するどころか、またウィルスが大暴れするわけだ。人としての正しい行為、勇気、愛、自己犠牲、そういうものが一切報われない容赦のない悪夢的世界が描かれる。怖いだけじゃなくて、嫌なもの、醜いものをたくさん見せつけられる。前作同様、物語を支配するのは「絶望」だ。
●「ゾンビ」ではなく「レイジ・ウィルス」っていうふうに名づけたところが秀逸。「憤怒ウィルス」ってことだろうけど、まさにこれに感染したとしか思えないように突然怒り出す人って、今の世の中たくさん見かけるじゃないっすか。突然キレる。で、たしかにこれは猛烈な感染性があって、誰かがキレると、他の人もキレる。電車の中とか、恐ろしいことにコンサート会場とかでも見かけるんだな……。なにかささやかな不快がきっかけとなって、「レイジ・ウィルス」に感染しちゃう。これは大都市が憤怒のパンデミックにより滅ぶという予言的な物語なんすよね。感染者も怖いし、自分が感染したらと思うともっと怖い。
●これ、さらなる続編として「28ヵ月後」ってのが作られるんだろうなあ、あの結末の場面からすると。あそこだけは少し笑った。辟易しつつも。

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不定期連載「ゾンビと私」

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