September 25, 2009

OTTAVAでロバート・レヴィン補筆版のモーツァルト未完成作品

●日本語で聴ける唯一のクラシック専門ネットラジオといえばOTTAVA。「ラ・フォル・ジュルネ」のときもそうだったが、ときどきこの局ならではの企画がある。明日26(土)と27(日)のOTTAVA amoroso for weekend(10:00-14:00)番組内で、今年5月に白寿ホールで開かれたコンサート「モーツァルトにおける未完成と完成~断片の魅力」のライブ音源から、ロバート・レヴィン補筆のモーツァルト未完成作品がいくつか放送される。曲目はこんな感じ。

クラリネット五重奏曲のためのロンド楽章イ長調 K Anh88 (K6 581a)[レヴィン版世界初演]
2台のピアノのためのラルゲットとアレグロ 変ホ長調 K6番号なし[レヴィン版]
アダージョ ヘ長調 K Anh94 (K6 580a) [レヴィン版]

●特集OA時間は11:00頃予定。生放送後1週間はオンデマンドでも聴けるのが吉。詳しくはこちらのリリースを(別ウィンドウで開く推奨)。
モーツァルト●余談。↑こうして珍しい作品について記載すると改めて思うんだけど、モーツァルトのケッヘル番号って本当に編集者泣かせというか、説明がないとわけわからん感、全開っすね。K Anh(アンハング)とあるのは、紛失した作品や断片に割り振られた番号。で、K6とかK6となっているのは、大幅な改訂があったケッヘル目録第6版で新たに割り振られた番号。K6では整数+アルファベットという書式も用いられる。K6の番号と従来の番号は同じものも多いが、作曲年代の見直し等によりぜんぜん違う番号が振られているものもある(例:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 K364 → K6 320d。有名曲でも容赦なく番号が変わる)。
●一度なじんだ番号を改めるのは大変困難なので、一般には「より正しい」K6より、従来のKが広く使用されている(ググれば一目瞭然)。未完の作品とか新しい(?)作品を扱うときはK6を出さなきゃしょうがなくなるが、そういうときは他の曲を古い番号だけで済ませると整合性に欠ける気がして、新旧両方を併記したりする。この二重番号制はフレンドリーさに欠けると思うんだけど、複雑なまま定着してしまっている。誰か大ボスが出てきて、「今までのは全部止めて新しい体系にする」とか宣言してくれないだろか。で、郵便番号みたいに一気に7桁に増えたりして(悪夢)。
●余談の余談。K488とか書くと「間に . が抜けている」って指摘されることがある。ドイツ語ではK.488が正しいから。でも日本語の用法には「.」をもって省略語を表すというルールはないので、ワタシはあえて「.」を入れない派。塵も積もれば山となるし、1バイトも積もればギガになる理論(←意味不明)。入れると誤植の危険が増えるのもヤな感じ(よく見たら「,」だったとか)。

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