ドミノ・ピザ
April 23, 2010

ワタシたちクラシック・ユーザー

●HMVジャパン調べの「クラシック音楽に関する意識調査」がおもしろい。「クラシックユーザー」と「ノンクラシックユーザー」に分けて質問をしているところが秀逸。回答するのはHMVのお客さんなので、「ノンクラシック」な人もなんらかのジャンルの音楽ファンなのであって、無作為抽出した一般の人というわけではないところがミソか。
●いちばん参考になったこと。「ノンクラシック」な人に「クラシックのイメージ」を尋ねると、一番手に「癒し」が来る。これは知っていた。他の調査でもそうなったのを見たことがあるから。ところが「クラシック」な人にクラシックの魅力を尋ねると、1位「奥深さ」に続いて、2位にやっぱり「癒し」が来るんである! これは想定外。
●ワタシはあまりクラシックに「癒し」というイメージを持ってない。でもクラシックを聴く人も聴かない人も「癒し」だと思っているということは大いに留意すべき、と自分の心の中のメモ帳に大書した。
●も一つ、印象に残ったこと。「クラシックユーザー」と「ノンクラシックユーザー」という言葉。ワタシたちは「ユーザー」なんである、最近では。いや今だって伝統的な音楽業界の中では「ファン」という言葉がもっぱら使われているはずで、レコード会社や音楽事務所、音楽系出版社では「ユーザー」という言葉はあまり使われないだろう。
●ところが、その業界から一歩外に出ると「ファン」が「カスタマー」さらに「ユーザー」と呼ばれるという現象があって、実はこれはワタシにはなじみ深い光景だ。特に「一歩出た外側」がIT系企業だと、非常に高い確率で「ファン」は「ユーザー」になる。たとえば新星堂や山野楽器のお客さんを「ユーザー」と呼ぶ人はいない。リアル店舗のタワレコやHMVにも「ユーザー」はいない。しかし同じ商品をiTunes Storeなど配信サイトで売るとなると、お客さんは「ユーザー」になる。音楽を買っていることに変わりはないが、同時に配信システムの利用者という面に焦点が当たるから。だったらオンラインで音楽を売る企業はどこでも顧客を「ユーザー」と呼んでおかしくない。あるいはamazonのように「カスタマー」とか。
●先日ある同業関係の人たちと打合せをしたときに、たまたま「最近は『ユーザー』って呼ばれるよね」って話になったばかり。で、この「ユーザー」というニュアンスに対して、ワタシは是非を問いたくない。むしろ、ワタシらはユーザーと呼ばれるようになってきたという事実を受け止めたい、ていうかこの変化を味わいたい。味わい深いというか、感慨深いというか。
前にも書いたけど、「ファン」fan は「ファナティック」fanatic の短縮形なんすよね。クリエイターがいて、コンテンツホルダーがいて、ディストリビューターがいて、ユーザー(カスタマー)がいるみたいな世界には、ファナティックな態度はそぐわないのかなあ。

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