August 2, 2010

ルネ・マルタンの「ル・ジュルナル・ド・パリ」

ル・ジュルナル・ド・パリ●「ラ・フォル・ジュルネ」の生みの親であるルネ・マルタン企画のもう一つの音楽祭「ル・ジュルナル・ド・パリ」が来月、東京、名古屋、大阪の三都市で開催される。「ラ・フォル・ジュルネ」というのも最初に耳にしたときは「なんという発音しにくい名前の音楽祭なのか、こんなの絶対日本人には定着しない!」と思ったものであるが、今やみんなぜんぜんフツーに発音している。で、この「ル・ジュルナル・ド・パリ」もかなり難しい名前だが、ジュルナルはフランス語で「日記」なんだそうである。前に「ジュルナルなんとかショパン」ってやってたっすよね。あれが今度は「ル・ジュルナル・ド・パリ」。日本語の副題は「パリ印象主義時代の音楽日記」。
●で、この「ル・ジュルナル・ド・パリ」の特徴を説明してみよう。まず、一日に短い公演が複数行なわれ、一公演の価格が基本2000円/1500円ときわめて安価である。出演者がケフェレック、児玉桃、ペヌティエ、L.F.ペレス、クレール=マリ・ルゲ、モディリアーニ弦楽四重奏団他の実力者がそろい、いろんな人を聴けて……えっ? それ「ラ・フォル・ジュルネ」と同じじゃん! まあ、同じ人が企画してるからそうなるわけであるが、しかし、違うところもはっきりあるんである。
●これはワタシなりの理解なんだが、春の「ラ・フォル・ジュルネ」はファミリー中心のお祭り。間口を広くしてみんなで楽しむ。でも秋の「ル・ジュルナル・ド・パリ」のほうは、もっと落ち着いてて、中身もずっと大人向けだ。会場は東京オペラシティのコンサートホール(あ、東京公演の場合)。演目は「印象主義っていうからドビュッシーとラヴェルなのかな?」と思いきやそれだけではなく、フォーレ、ショーソン、アルベニス、サティ、ルクー、フランクなども取り上げられて、19世紀後半から1920年代までのフランス音楽(フランス人以外もいるが)のピアノ曲、室内楽曲を演奏するシリーズなんである。だから、かなりシブい。曲目を時代順に並べて変遷をたどろうといったコンセプトも、日頃から熱心に音楽を聴いている人向け。じっくり聴きたい方に。
●演目で選ぶか、アーティストで選ぶか。ワタシだったら、曲ではフランクのピアノ五重奏曲か、あるいはフォーレのピアノ曲をまとめて聴くか。ピアニストではまだCDでしか聴いてないクレール=マリ・ルゲと、5月の日本で聴き損ねたルイス・フェレナンド・ペレスあたりかなあ。

ル・ジュルナル・ド・パリ」(曲目一覧チケットぴあ

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