June 5, 2011

ホロデンコ、ガヴリリュク、デミジェンコの3日間

●3晩続けて東欧出身ピアニストを聴いた。ホロデンコ、ガヴリリュク、デミジェンコ。
●2日(木)は浜離宮朝日ホールでヴァディム・ホロデンコのリサイタル。第4回仙台国際音楽コンクール優勝記念演奏会。1986年ウクライナ出身。華々しいコンクール歴そのものには特に惹かれないんだけど、演目が良かったので。前半はメトネル2作、後半はプロコフィエフ「束の間の幻影」とピアノ・ソナタ第5番op38。バリバリ弾いて、弾けすぎて笑う。弾いているときの集中度と、鍵盤を離れたときの飄然とした様子に激しくギャップがあるのが萌え要素。かも。偉才。
●3日(金)はアシュケナージ指揮N響定期へ。後半のシベリウス/交響詩「大洋の女神」と交響曲第7番という枯れた演目もいいんだが、聴きものは前半のプロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番。この曲、大好き。で、独奏はアレクサンダー・ガヴリリュク。NHKホールの広大な空間を相手に必死に格闘し、制圧した。刺々しいモダニズムもグロテスクな通俗性も拡散して希釈化されそうなこの場所で、3階自由席のお客まで(たぶん)ひきつけたのは大したもの。第1楽章の長大なカデンツァで客席が静まり返っていた、あまりここのお客さんに人気のある曲とは思えないにもかかわらず。1984年、ウクライナ生まれ。「ガヴリ」って強そうすよね、「ガブリ」じゃなくて「ガヴリ」。ガヴリ寄り!みたいな強さ(はあ?)。
●4日(土)は、すみだトリフォニーホールでニコライ・デミジェンコのリサイタル。こちらはロシア出身のベテラン。前半にシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」と「謝肉祭」、後半にリストの「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」とピアノ・ソナタ ロ短調。リストのソナタが圧巻。美しい響きで楽器をよく鳴らしながら、大きな流れを作り出してゆく。カタルシスあり。ワタシは行けないんだけど、本日5日は新日フィルとショパン1番&ラフマニノフ2番の協奏曲がある。これも好演になるのでは。ていうか、2日間でこんなに弾きまくるのか!

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