July 27, 2012

スペインU23vsニッポンU23@ロンドン・オリンピック

●なんとなくサッカーファン的には落ち着かないのがオリンピック。U23の世界大会なんだけど、U23ともなると年齢高すぎで年齢制限は引っかからなくてもスター選手の多くは卒業してしまっている(その一方でメダルが欲しい国のためにオーバーエイジ枠がある)。おまけにヨーロッパのこの大会にかけるテンションの低さ。欧州の出場枠はたった3(スペイン、ベラルーシ、スイス。それに開催国枠として「イギリス」という耳慣れない名前のチームが入っている)。96年アトランタ大会以降の4大会では、2000年シドニー銀メダルのスペインを除いて、すべてアフリカと南米の国だけが決勝戦に進んでいる。オリンピックはヨーロッパ以外の国のための若手世界大会とでも呼びたくなる。
●が、今回のスペインはスゴいメンバーをそろえてきた。マタとかジョルディ・アルバとかハビ・マルティネスとかデ・ヘアとか、トップレベルで活躍している選手が大勢。さすがにこれは優勝候補。強烈。
●で、スペインvsニッポン。GK:権田、DF:酒井宏樹(→酒井高徳)、鈴木大輔、吉田麻也、徳永悠平-MF:東慶悟、山口螢、扇原貴宏(→山村和也)-FW:清武弘嗣、大津祐樹(→齋藤学)、永井謙佑。序盤からペース配分を無視したような猛烈なプレスを永井がかける。スペインのボール回しは惚れ惚れするほどうまいんだけど、低い位置でニッポンにボールを奪われることもしばしば。攻めるスペインとショート・カウンターを狙うニッポン。ニッポンは少々押し込まれても自信を失わずに冷静にプレイするのが頼もしい。前半34分、扇原のコーナーキックから大津が右足であわせて先制ゴール。この試合、大津のミスが多くてずっと試合に入り込めていないと思っていたら先制点。点は決めたが、調子は悪かった。後半からは齋藤学に交代。
●前半41分に前線からのプレスで永井がボールを奪い、ゴールに向かうところをイニゴ・マルティネスが後ろから引っ張った?ということで一発レッド。これはイエローで十分だったのでは。アメリカ人主審の笛の基準は少し独特で、結果的にニッポンに有利に働いたと思う。ただ、スペインも自陣でやたら不用意なミスを連発していて、1失点で済んだのが不思議なほど。ニッポンは後半もカウンターから山のようにシュートチャンスがあったが、ことごとく外した。冗談のように枠に飛ばない。スペインは一人少ないにもかかわらず、ボールを回せてしまう。だからこそニッポンのカウンター天国になるわけだが、永井は何本外したんだろう。でも彼の前線からの鬼プレスが試合を決定付けたのでこの日の殊勲者は永井。齋藤学はもう一段鋭いプレイを見せてほしかった。
●11人対11人の試合を見たかった気もするが、あのスペインに勝ったのは快挙。内容的にも堂々と渡り合っていた。後半、右サイドバックが負傷のため酒井宏樹から酒井高徳に交代した。ニッポンには右サイドバックにSAKAIが二人いる、しかも二人ともドイツのクラブに所属しているが、兄弟でも双子でもありませんと世界のサッカー界には宣言しておきたい(笑)。ドイツ系日本人のほうが酒井高徳。見まちがえることはない。

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