December 5, 2012

コリン・カリー・グループのライヒ「ドラミング」

●4日は東京オペラシティでコリン・カリー・グループのライヒ「ドラミング」へ。前半に「クラッピング・ミュージック」(ライヒ御大登場)、「ナゴヤ・マリンバ」「マレット楽器、声とオルガンのための音楽」、後半に「ドラミング」の名曲プロ。PAあり。客層が猛烈に若い。クラシック系のお客さんが何割か、現代音楽系のお客さんが何割かいて、あとは別ジャンルの方々という感じ(テクノ/エレクトロニカ系?)。いろんなジャンルの聴衆がいっしょになって、同じアーティストを聴いて盛り上がれる機会って貴重かも。
●すごいんすよ、若者たちのライヒ翁に対するリスペクトが。休憩中にライヒの席にサインを求める長蛇の列ができてた。鋭敏な好奇心が起動してるので舞台への集中度も高くて、みんなでじっと固唾を呑んで聴く雰囲気。その点ではクラヲタと同じ。
●「ドラミング」はライブならではのおもしろさで、生身の人間が叩いてる感があるとこんなにスリリングな音楽になるのだと実感。シンプルなリズムが重なりながら万華鏡のように光景が変容していく。マシーンみたいに完璧だと退屈になるのかも。どこかで大チョンボで崩壊する可能性が担保されていないとつまらないというか。パート2でマリンバの音型に対して、楽器の響きを模倣したボーカルが声を重ねて徐々にフェイドイン&アウトする……んだけど、ぜんぜん声でマリンバの模倣なんてできないよ!とか思えるも楽しい。パート3のグロッケンシュピールに口笛?+ピッコロはよく溶けあうんだけど。
●「ドラミング」が終わって客席からライヒがステージ上に呼ばれると場内総立ち、大歓声に。「ブラボー」じゃなくて、「ヒョー!」とか「イェーイ!」な異文化的掛け声が渦巻く。満足そうに微笑むライヒ翁。立ち上がって熱狂的な拍手を送る若者たち。この構図はどこかで見たような……朝比奈隆? ライヒ=朝比奈説というのを考えてみたが、「一般参賀」という流儀がこの聴衆にないのが惜しい。
●本日5日も公演あり(→詳細)。

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