January 21, 2013

小澤征爾「贈賞にあたって」

●昨年末のニュースなんだけど、第11回齋藤秀雄メモリアル基金賞の受賞者が山田和樹(指揮)、石坂団十郎(チェロ)の両氏に決定した。で、そのときの小澤征爾永久選考委員から山田和樹さんへの「贈賞にあたって」の言葉がとても印象深かったので、以下に引用。

ここで、既にとても忙しくなった山田君へ、私からの忠告を申し上げたいと思います。忠告と言っても、実はこれは私の先生であるカラヤン先生、そして、私の一生のマネージャーであるウィルフォードさんが、駆け出し頃の私にしてくれた忠告なのですが、
一、 常に、自分が勉強できる時間を確保すること。
一、 来た仕事の中で、一番自分に相応しい仕事を選ぶこと。
これをいつも頭の中に置いておいてもらいたい。
そして、これは本当に私自身からの忠告、
一、 いつも、素晴らしい音楽家と仕事をすること。(これが一番大事)
一、 可能なら、持続的にじっくり腰を据えてオーケストラと生きる音楽の生活をすること。つまり、音楽監督の仕事をやること。
とても難しいことですが、この2つを両立させることが大きな秘訣だと、私は信じています。

●指揮者の仕事に限らなくても、含蓄のあるアドバイスでは? 「駆け出し頃に○○さんからもらった忠告なんだけどね」っていう話法は好きかも。
●ついでに最近話題の映像。「懐かしの毎日ニュース:1月15日 小澤征爾 N響騒動から涙の公演 1963年」。井上靖、三島由紀夫らの呼びかけで開かれた「小澤征爾の音楽を聴く会」について伝えるニュース。いろいろな点で圧倒される映像なんだけど、ここで少し聞こえるシューベルト「未完成」が雄弁に時代を伝えている。これってもう半世紀前の話なわけで、もはや歴史。

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