June 10, 2013

下野&N響「惑星」、ラザレフ&日フィル「シェエラザード」

●この週末はオケの公演が盛りだくさん。いつもそうだけど、いつにも増して。
●8日は下野竜也指揮N響(NHKホール)。バッハ~エルガーの「幻想曲とフーガ」、シューマンのピアノ協奏曲(ネルソン・ゲルナー)、ホルストの組曲「惑星」。ゲルナーのピアノがNHKホールの巨大空間をまったく気にも留めないかのように繊細で控えめな表現を聴かせてくれたのが印象的。オケも音量をぐっと抑えて、シンフォニックな味わいはなくなる代わりに室内楽的なひそやかさが醸し出されて、好感度大。剛腕ピアニストでもほとんどこの空間には打ち勝てないんだから、だったらこのアプローチはありか。後半の「惑星」は逆に音圧三割増しくらいのマッチョなホルスト。咆哮するブラスセクション。
リムスキー=コルサコフ●9日はラザレフ指揮日フィルのサンデーコンサート(東京芸術劇場)。ボロディン~グラズノフの「イーゴリ公」序曲(先月のフェドセーエフ&N響に続いてまたも)、サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」(伊藤恵)、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」というエキゾティック・プロ。「エジプト風」が真にエジプト的だとしたらスマソなんだけど、キッチュでクールな異国趣味として楽しむ、「アラビアン・ナイト」と地続きの架空の土地のごとく。すなわち、中央アジアの草原で遊牧民どもを蹴散らしたイーゴリ公は、アフリカに向かい、ナイル川でヌビア人の愛の歌を聴き、そこから船に乗ってアラビア半島に向かう。船乗りはシンドバッドだ。イーゴリ公はカレンダー王子として波乱万丈の冒険の旅を続ける……。「シェエラザード」は極彩色の幻想譚というよりは、赤褐色のスケールで陰影豊かに描かれた、砂漠の熱風を思わす骨太の物語。

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