October 4, 2013

NHK音楽祭でオーギャン&N響「ワーグナー・ガラ・コンサート」

ワーグナー●2日はNHK音楽祭でフィリップ・オーギャン&N響による「ワーグナー・ガラ・コンサート」。当初ペーター・シュナイダーの指揮が予定されていたが、健康上の理由により来日できなくなりオーギャンに。ソプラノにエヴァ・ヨハンソン、テノールに日フィルのワーグナーでも大活躍したサイモン・オニールが登場。「ワーグナー・ガラ」といっても、前半に「パルジファル」からと「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲と「愛の死」があって、後半にたっぷりと「神々の黄昏」ハイライトを置くという重量級プログラム。思わぬ形で「神々の黄昏」ハイライトをがっつりと楽しめて嬉しい。鳥肌が立つ。
●さすがにNHKホールの広大な空間とよく鳴るオーケストラと対抗する歌手陣は大変。ヨハンソンは声量はスゴいんだけど……。サイモン・オニールの美しい声をもっと聴きたかった気も。「神々の黄昏」は途中で死んじゃうしなあ。
●字幕はないので、どちらかといえば大交響曲「神々の黄昏」を聴いた気分なのであるが、しかし「神々の黄昏」の音楽の偉大さに対して、この物語のなかにおけるジークフリートのダメ男っぷりにあらためて思いを馳せる。すっかりハーゲンの策略にひっかかり、「忘れ薬」でブリュンヒルデを忘れグートルーネに求愛し、情けないことに隠れ頭巾でグンターになりすまし、ブリュンヒルデに偽装求婚する。あげくにあっさりハーゲンに殺される。便宜上、ワタシらはジークフリートを英雄を呼ぶわけだが、彼はノートゥングを鍛えたくらいであとはなにもしていない。代理プロポーズをさせられるドジッ子英雄。悲しい。先日の「レヴィ=ストロースと音楽」にあったように、「ジークムントは失敗した試みとして、ジークフリートを先取りしている」のであり、これはヴォータンの失敗とアルベリヒの成功が生み出した結末なのだ。

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