February 5, 2014

ナントのラ・フォル・ジュルネ2014

ナントのLFJ2014、街

●ナントのラ・フォル・ジュルネから帰国。長時間移動にぐったり。しかしとても収穫の多い取材旅行だった。
●LFJナントのメイン会場はシテ・デ・コングレというホールや講堂、会議室が一体となった施設で、東京国際フォーラムとまったく同じ雰囲気。1900席のコンサートホールひとつをのぞけばすべてコンサート用の会場ではない。会議室でピアノを聴く感覚なんて、まさに東京と同じ。聴衆がフランス人であることをのぞけばなにからなにまでそっくりで、客席に座っていると東京にいるのかと錯覚しそうになるほど。

ナントLFJ2014、会場のシテ・デ・コングレ

●東京のLFJは今年10周年を迎えるけど、ナントは20周年。20周年だから20世紀音楽メインという発想で、テーマは「アメリカ」(東京はちがいます)。アメリカ人作曲家のみならず、欧州からアメリカに渡った作曲家たち(ラフマニノフとかバルトークとか、古くはドヴォルザークも)、さらにアメリカの主要楽団が委嘱した作品、アメリカのポピュラー音楽なども含めた、さまざまな角度から描く「アメリカ」。
●LFJではいつもそうだが、聴く人がたどるコース?によって、音楽祭の表情はずいぶん違って見える。たとえば今回のナントなら、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」やラフマニノフのピアノ協奏曲をいろんなピアニストで聴き比べ、バーンスタインの「ウェストサイドストーリー」や黒人霊歌を聴くというコースも可能だし、あるいはアイヴズ、ケージ、ライヒ、グラス、現役アメリカ人作曲家たちを聴くといったコースも容易に可能。とはいえ客層が公演ごとにあまり違わず、普通のおじさんおばさんがガーシュウィンもアイヴズも並列で聴いているのがナント。

ナントのLFJ2014、エッセール指揮ポワトゥ・シャラント、ヌーブルジェ、根本雄伯他のメシアン「峡谷」

●特に印象に残ったのがメシアンの「峡谷から星々へ」。この曲名が今回そのまま音楽祭の副題になっているくらいなので、LFJのフォーマットには長すぎる作品(100分くらい)であるにもかかわらず、全曲が演奏された。21時半開演の日と22時15分開演の日があって、終演がどちらにしても深夜になる。せめて少しでも早いほうをと思い21時半開演に足を運ぶと、さすがに目玉公演だけあって満員。やっとのことで入場するが、曲がはじまってもまだ席を探してうろうろしている人がいる。
●が、曲が進みだすと、今度はどんどんお客さんが帰りはじめた。どういう作品か知らずに聴きにきた方も多く、「なにこれ、最後まで聴くの?」みたいに顔を見合わせてたりする。で、曲の切れ目でもなんでもないところで、すっと席を立つんすよね、彼らは。開演した頃には席がなかったのに、終わるころには空席がいっぱいある。そして最後まで残ったお客さんは大喝采。この客席のダイナミズム。
●前に座っていたカップル(若くない)が、たぶんサスペンスとかホラー映画の音楽だと感じたんだろう、曲に合わせて女性が男性の胸をグサッとナイフで突き刺すマネを何度もやってじゃれ合っていた。うん、わかるよ、それ。東京ではLFJであっても最近まず目にすることのできないような活発な客席の反応をいくつも目にした。

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