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May 12, 2014

グラゼニ 第14巻 (森高夕次、アダチケイジ著)

「グラゼニ」14(森高夕次、アダチケイジ著)●すっかりハマってしまった「グラゼニ」(森高夕次、アダチケイジ著)の最新刊。もう第14巻にもなるというのに、新たな展開が見えてきて、だれるどころかますますおもしろくなっている。野球マンガでありながら、試合ではなく、「職業としての野球選手」について描くというそもそものアイディアの秀逸さが、この段階になっても効いている。スタート地点に立つために並はずれた才能が求められるにもかかわらず、超絶格差があってほとんどの人は数年でクビになり、しかも辞めた後の展望がまるで見えない業種という、特殊自営業者の世界の物語として読める。
●ところで、これは自分が野球を見ないから感じることなのかもしれないんだけど、投手の成績を語る上で「何勝何敗何セーブ」といった数字が使われるのが納得できない。勝ち星は味方打線の援護や対戦投手の質に大きく左右されるし、「勝ち投手の権利」の定義もスマートには見えない。また、先発投手と救援投手を同じ指標で比較できない。これに比べると「防御率」はまだよさそうだが、自責点についての定義がもうひとつすっきりしないし、味方の野手の守備力に左右されてしまうのもどうかと思う。
●で、知ったのがDIPS(Defense Independent Pitching Statistics)という考え方。守備の影響から独立した投手の成績を評価するために、奪三振、与四球、被本塁打という野手とは無関係の数値から指標を作ろうというアイディアはなかなかいい。特にFIP(Fielding Independent Pitching)という指標はこれらの数値から防御率相当の数値を算出する方法として、実用性が高そうだ。
●さらにこの考え方を一歩進めたtERA(真の防御率)という指標もあって、これがもっとも精度が高そうに思える。本塁打を外野フライに数えてしまうという考え方がいい(一見ラディカルだが、常に外野フライの一定割合が本塁打になるものとみなしてしまう。これなら本拠地球場のサイズの大小が問題にならない)。ただ、tERAの算出のためには、打球をゴロ、内野フライ、外野フライ、ライナーで区別した記録が必要になるというのが煩雑で、理屈はいいんだけど実用性ではやや難ありか。

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