May 23, 2014

コンポージアム2014 ~ ペーテル・エトヴェシュの音楽

●というわけで、昨夜は東京オペラシティの「コンポージアム2014」へ。ペーテル・エトヴェシュ指揮N響でリゲティ「メロディーエン」、エトヴェシュ「スピーキング・ドラム」、リゲティ「サンフランシスコ・ポリフォニー」、エトヴェシュ「鷲は音もなく大空を舞い」「ゼロ・ポインツ」。エトヴェシュ作品はいずれも日本初演。
●圧巻は前半終わりに演奏された「スピーキング・ドラム ~ パーカッションとオーケストラのための4つの詩」。パーカッションのマルティン・グルービンガーが大暴れ。オーケストラの手前に6群の打楽器が配置され、これをグルービンガーひとりで操る。打撃音と発話の照応がテーマになっていて、まず中央に配置されたスネアドラムとフィールドドラムの膜面にスティックを垂直に自由落下させて音を出す。奏者はなにかを発話する。聴衆は奏者の発話を打楽器が模倣していることに気づく。奏者によって言葉?を教わった打楽器は、やがて猛烈な勢いで語りだす。グルービンガーの発話は絶叫に近いがゆえに半ばコミカルで、話者と打楽器は激高しながら対話を続ける。これは抱腹絶倒もの。グルービンガーは縦横無尽に舞台上を駆け巡る。あのフライパンと空き缶?を左右にかしずかせたぜいたく乱打無双はなんだ。いちばん右に配置されて「グォオーー」と唸るような低音を出していた楽器は、プログラムによればライオンズローア(ライオンの吠え声)。似たような音を最近聴いた気がする……クイーカ、かな?
●発話されていた言葉は2種類あって、ひとつは架空言語による詩。意味はない。もうひとつはサンスクリット語の詩をハンガリー語の発音に置き換えた詩ということで、事実上意味が伝わらないという意味でこれも架空言語みたいなもの。意味がないのに対話が成立し、しかもそれが猛烈に雄弁だというところに大ウケする。

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