April 3, 2017

東京・春・音楽祭 2017 シューベルトの室内楽 I

桜はまだ三分咲き
●31日夜は東京文化会館小ホールで、東京・春・音楽祭「シューベルトの室内楽 I」。ピアノ三重奏曲第2番とピアノ五重奏曲「ます」の長大な2曲をがっつりと。佐藤卓史(ピアノ)、成田達輝(ヴァイオリン)、横坂源(チェロ)、佐々木亮(ヴィオラ)、山崎実(コントラバス)。こういった編成の室内楽を名手たちの共演で聴けるのは音楽祭ならでは。抜群にうまい。とくにピアノ三重奏曲第2番が楽しみだったんだけど、この曲ってほんとに気恥ずかしい曲じゃないすか。シューベルトのなかでもひときわ内気すぎて恥ずかしい気分になれる完璧な名曲。もう客席で身悶えしながら聴きたい。しないけど。こんな曲を大勢で集まって聴いていいのかっていうくらい、いちいち刺さってくる。その恥ずかしさをカッコよさに昇華することができるというのを知ったのが、この公演。満喫。
●この日は昼の東京都美術館の公演から夜までずっと上野近辺にいたのだが、お天気はもうひとつ。寒いし桜もまだまだほんの少ししか咲いていないし、おまけに午後から雨まで降ってきた。昼間から上野はすさまじい人出だったのだが、雨が降り出すとこんどは人混みが駅へとドッと逆流していくのが壮観。そんな日なのに、前々からの予定で夕方から花見を設定してあった。混雑する上野を避けて谷中墓地に集合することになったのだが、上野からも人が去るくらいなので、谷中墓地なんてぜんぜん人がいない。霊しかいない。雨のなか、だれかの立派なお墓のそばで傘を差しながら30分くらい立ったままアリバイ花火を楽しんだ後(ワタシは飲まないのでただの立ち話とどう違うのかって感じもするが)、お店に入るというみんなと別れ、そそくさと上野へ戻ったのであった。スッと始めて、サッと終わるエクストリーム花見。なんだ、この謎の達成感は。

このブログ記事について

ショップ