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November 29, 2019

十二国記「白銀の墟 玄の月」第3巻&第4巻 (小野不由美著/新潮社)

●さて、18年ぶりに出た「十二国記」シリーズの最新作「白銀の墟 玄の月」、先日の第1巻&第2巻に続いて、第3巻&第4巻も読み切った。いやー、長かった。読みやすいけど、長かった。第1巻と第2巻はストーリーがぜんぜん展開しなくて、ずーっと人探しをしていて、あっちを探したら見つからない、こっちにいるかと思って来てみたらやっぱりいなかった、みたいな出来事の連続だった。
●で、後半の第3巻&第4巻。どんどん話が動き始めた。そして、第4巻に入ると猛烈な勢いで話が畳まれる。なにしろ登場人物が多いので、最後は「えっと、この人はだれだっけ……?」みたいな事態にもなりがちだが、なんだか途中で物語の設計図が変更されてしまったかのような印象を受けるのはワタシだけだろうか。特に阿選と琅燦のふるまいに違和感が残っていて、「十二国記」世界観を揺るがすような大きな展開があったかもしれないのに、前半が長すぎてうやむやになってしまったような気が。でも、個別にいいシーンはたくさんあったので、読書の楽しみは存分に味わった。講談社X文庫ホワイトハート以来の付き合いという意味では、映画「スター・ウォーズ」に匹敵するくらいの気長なシリーズ。もっと読みたいけど、やっぱり話がどんどん動いたほうが「十二国記」らしいかな。