August 25, 2022

国立西洋美術館のミュージシャンたち

●「東京国立博物館のミュージシャンたち その1」「その2」に続く美術館で見かけた音楽家たちシリーズ(なのか?)、続いては国立西洋美術館の常設展から。まずは、デンマークのヴィルヘルム・ハンマースホイによる「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」(1910)から。
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●ピアノに注目すると、譜面台と壁が近く奥行きはない。とすると、これはスクエア・ピアノなのだろう。ピアノが中心的な題材になっているはずだが、扉の向こうで壁面を向いて弾いているため、ずいぶんと遠い印象を受ける。写真ではわかりづらいが、奥のピアノよりも手前のテーブルに乗っている灰皿(?)のほうにくっきりと焦点が当たっている。楽器テーマなのに感じるのは静けさ。ピアノが鳴っている感じがまったくしない。
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●こちらはクロード・ロランの「踊るサテュロスとニンフのいる風景」(1646)。中央に半人半獣のサテュロスがいて、両手ともニンフと手をつないで楽しそうに踊っている。で、左下の暗いところに音楽を奏でる人々がいる。拡大してみると、以下のような感じ。
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●男は縦笛を、女は横笛を吹いている。この横笛、管の先のほうが広がっているのだが、そういう楽器があったのだろうか。その横の男は縦笛を2本同時に吹いているようだ。
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●ルイ・ガレの「芸術と自由」(1865)。初展示作品。モデルがやたらとカッコいい。パッと目を引く。反射的に頭に浮かんだのは「アー写」。19世紀のアーティスト写真。ヴァイオリンの腕前はわからないが、宣材として強力。だが、題は「芸術と自由」とずいぶん構えていて、絵柄とそぐわない感じ。後方の白い紙に「芸術と自由」と記されている。
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●ジョヴァンニ・セガンティーニの「風笛を吹くブリアンツァの男たち」(1883-85頃)。えっ、風笛って?と思うが、英題を見ればなんのことはない、バグパイプのことだった。たしかに左にバグパイプを吹いている男はいるのだが、赤ん坊と農婦たちのほうが目立っている。赤ん坊は歩行器に入っている。19世紀末にはもうあったのか、歩行器。
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●バグパイプを吹く男のところを拡大したのがこちら。右の男はバグパイプだが、左の男が吹く管の先端が広がった縦笛はなんと呼べばいいのか。
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●ル・コルビュジエの「アコーディオンに合わせて踊る女性」(1949)。こちらは常設展ではなく、ル・コルビュジエの小企画展から。自分にはアコーディオンを抱えている姿に見える。アコーディオンの鍵盤の要素は左下に、蛇腹の要素は右下に分解されている。が、これは踊る女性。すると、アコーディオンを弾きながら踊っているのか。あるいは踊る姿にアコーディオンを重ねているという表現なのか。

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