September 9, 2022

東京オペラシティアートギャラリー「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」落穂拾い

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先日もご紹介した東京オペラシティアートギャラリーの「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」展(~9/19)の2回目を見てきた。というのも、普通ではない展示物がいくつかあって、一回目にいくつも作品を見逃してしまったから。配布される紙のガイドを確認しないと絶対に見つけられないものがある。たとえば、上の写真のように天井に風船がはりついている。これは「摂氏マイナス267度 あらゆる種類の零下」と題された作品。一見、ヘリウムガスを入れた風船のようだが、実際にはファイバーグラス製。でも、これなんかは見つけやすいほうなのだ。上を見上げれば見つかるのだから。
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●ほら、これとか。別作品の額の上にちょこんと乗ってるんすよ。銀で鋳造した細い葉巻の吸い殻。「時間を逆行しながら過ごす」というわかるようなわからないようなタイトルの作品。
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●これは部屋の片隅に落ちているマッチ箱。えっ、そんな。「世界に対する真実」と題されている。拾ってみたくなるけど、その勇気はない。
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●こちらも片隅に落っこちている系の作品で、「僕たちはここではたくさんのドルを持ってはいなかった」と題されている。2032年から降ってきた25ドル硬貨という設定。だいぶインフレが進んでいるようだ。これも拾いたくなるが、床に接着されているらしい。
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●こっちは普通に見つかる作品なんだけど、椅子の上で蚊がヒクヒクって動いている。前回見たときは蚊がなぜか動いていなかった。2回目に見たらちゃんと動いていた。もちろん本物ではなく、仕掛けがある。「すべては予定通り」という題がおかしい。
●ほかにも額の上に乗ってるチューインガムとか、ぐったりと横たわるハツカネズミなんかもある。ひとつ、「首にかけた重石(時間を無駄にしなかった証)」という作品がどうしても見つからない。うーんと困って立ちすくんでいたら、目の前にいた監視員のお姉さんが、親切にも教えてくれた。なんと、そのお姉さんが身に着けているネックレスが作品だったのだ!(なので、写真は遠慮した……)
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●でも、もっと難度が高かったのがこちら。作品リストの最後にある「郵便配達人は二度ドアをたたく」。なんの変哲もないふたつの輪ゴムに見えるけどブロンズ製。ガイドの作品地図を一生懸命見つめて、おかしい、この場所はほぼ入口じゃないか、ほとんど受付の位置に作品があるというのか?……と思ったら、受付のカウンターのなかに各種パンフなんかと並んでこれが置いてあったという。いやいや、大半の人は見つけられないって。アートギャラリーに来たのに、テーマパークで遊んでいるかのような楽しさ。