February 9, 2023

「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」シーズン2

●先日、Apple TV+の「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」シーズン1を紹介したが(→該当記事)、続くシーズン2も観てしまった。アメリカンフットボールの監督が、イングランドのフットボール(サッカー)の監督に抜擢されるという荒唐無稽な設定によるハートウォーミングなコメディ。もちろん、現実にはそんな無茶苦茶なことは起こりえないのだが(最高レベルのライセンスを取得しないとプレミアリーグの監督にはなれない)、登場人物のキャラクターが魅力的で、とてもよくできている。サッカーの試合場面をめったに出さないという割り切った作りも成功している。物語の舞台となるAFCリッチモンドは架空のチームだが、対戦相手には本物のプレミアリーグのクラブ名が出てくる。シーズン2には、スポーツニュースのコメンテーターとして、ティエリ・アンリが本人役で登場する。主要登場人物のひとり、ロイ・ケントはかつてのマンチェスター・ユナイテッドのキャプテン、ロイ・キーンがモデルなのだろうか。
●で、シーズン2になると、戦いの舞台が2部リーグのチャンピオンシップに移る。シーズン1に比べると、人間の負の面に焦点が当てられており、クラブが専属セラピストを雇ったり、テッド・ラッソが過去のトラウマと向き合ったりする。そして、シーズン1の嫌われ役がいいヤツになったと思ったら、こんどはいいヤツだと思っていた人物がイヤなヤツになる。これは連続ドラマあるあるっすよねー。そして、やっぱりロマンスが前面に出てくる。もうこれは避けようがない(実際、おもしろいわけだし)。ゾンビドラマだった「ウォーキング・デッド」が、シーズンが進むにつれて、人間の愛憎を中心としたドラマに変容し、ゾンビ禍そっちのけになったのと似ている(途中で観るのを止めたから、その後どうなったかは知らないけど)。
●シーズン2でも英米の違いをあらわす「水ネタ」がまた出てきて、アメリカ人のテッドが水をもらう場面で、Still or sparkling? と尋ねられて、still water をもらう。なるほど、イギリスで炭酸の入っていない水は、still water って呼ぶんすね。テッドは「最初の頃は『まだ水』って言ってるのかと思った。前から水だったけど、今もまだ水、みたいな」とジョークで答えていた。

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