March 22, 2023

マリノスvs鹿島 戦術面で苦しみつつも勝点3をもぎ取る J1リーグ第5節

●J1リーグ第5節はDAZNでマリノス対鹿島戦。前節、アウェイ札幌戦で完敗したマリノスだが、今度は苦手の鹿島戦。今季、マリノスは先発メンバーをほぼ固定しての戦いで、キーパーはやはり一森。ただ控えには飯倉ではなくオビが入った。一森がダメとはいわないが、シーズン当初のオビが結果を出していただけにモヤモヤした気分は残る。ディフェンスラインは永戸、角田、畠中、松原。中盤は喜田と渡辺皓太がセンター、右に水沼宏太、左にエウベル、トップ下に西村拓真、トップにアンデルソン・ロペス。マルコス・ジュニオールや藤田譲瑠チマ、エドゥアルド、ヤン・マテウスはすっかりベンチ要員。ベンチにいつもブラジル人が3人並ぶチームも珍しいと思うが、Jリーグの成熟ともいえる。
●で、試合は拮抗した展開に。後半11分、松原が地を這うような強烈なミドルシュートを叩きこんで先制し(「一年に一回のゴール」と本人談)、後半17分、クロスボールに対して鹿島の常本が自分のゴールに蹴り込む不運なオウンゴールがあって2点目、その後、鈴木優磨に1ゴールを返されたが2対1で逃げ切った。ただ、正直言って内容では鹿島が上回っていたと思う。鹿島の岩政監督は割り切ったマリノス対策を準備してきたようで、こちらのハイプレスに対して、自陣でボールを無理につながないことでショートカウンターを防いでいた。極端なところでは、プレスに囲まれたディフェンダーが自陣で故意にボールを外に出してスローインを与える場面があったほど。ロングボールの多用も目立ったが、これもプレス回避策として有効。おかげでマリノスはボールを前で奪う場面が少なく、奪うのはもっぱら自陣深く。そこから攻撃につなげようにもビルドアップが難しく、また相手にボールを奪われて守備が続くといった苦しい時間帯もあった。結果的にボール保持率もシュート数もほぼ五分五分。鹿島の狙いはかなり成功していたと思う。今シーズン、やはりどこもマリノスには対策を練ってきているし、一方でこちらは選手層が薄くなっており、昨シーズンのような相手を圧倒する展開にはならない。
●鹿島の鈴木優磨はゴールシーンもさることながら、中盤に下がったときも効果的なプレイができる選手で、かなりの脅威。無意味な挑発的行為が多いためヒールの印象が定着しているが、能力的には代表レベルだろう。