●今回のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)で川崎フロンターレが決勝まで進んだのは、とんでもない快挙だと思う。準々決勝でカタールのアル・サッドを3対2で下し、準決勝ではクリスチャーノ・ロナウドらがいるサウジアラビアのスター軍団、アル・ナスルに3対2で勝利した。決勝ではやはりサウジアラビアのスター軍団であるアル・アハリに0対2で敗れたものの、準優勝で9億円以上の賞金を獲得。Jリーグの優勝賞金の3倍だ。
●なにしろ、この大会、今回から新方式になって一方的にサウジアラビアに有利な大会に変貌したのだ。ラウンド16こそホームアンドアウェイだが、準々決勝以降はサウジアラビアでの集中開催。東アジアのチームと西アジアのチームを混合して一発勝負のトーナメントになった。今回はサウジアラビアで開催するけど次回は東アジアのどこかで開く、というのならまだしも、次回以降も当面はサウジアラビアでトーナメントが集中開催されるのだとか。なんですか、それは。サウジアラビアのチームだけがホームで戦い、東アジア勢はいつでもアウェイ。おまけに日程でも川崎は不利な戦いを強いられていた。
●さらに今回より外国人枠が撤廃された。決勝を戦ったアル・アハリの先発メンバーにサウジアラビア人選手はふたりだけ。フィルミーノやマフレズ、ケシエ、イバニェス、メンディら欧州トップレベルで活躍した選手たちがずらりと並ぶ。国がバックについているので桁違いの資金力だ。
●今後、この大会はベスト4からサウジアラビアのチームだけになってしまってもおかしくない。アジアチャンピオンズリーグと言いながら、サウジアラビアの国内カップ戦みたいになりそう。まあ、資金力で負けるのはどうにもならないが、せめて大会の開催方式はフェアなものにしてほしい。どこかでバランスをとらないと、大会自体への関心が薄れてしまいそうだ。
May 8, 2025