●たまにここでAIにお絵描きをさせて遊んだりしているが、これはネタとしておもしろがっているだけで、AIは急速に進歩している。以前、AIにドゥダメル指揮ベルリン・フィルの演奏会評を書かせたことがあったが、あれは2023年5月、もう2年も前のこと。今は「日常的に実用するものではあるけど、得手不得手があって使いどころに悩む」くらいの感じ。
●定点観測ってわけでもないが、今のAIだとこれくらいのことを言うよっていう例を、ここに貼り付けておきたい。AIはこちらの質問の程度に合わせた返答をするので、全力で考察してほしいと明示的に求めたうえで、宗教の本質について尋ねてみた。回答者はChatGPT (GPT-4o)さん。
Q. ワタシ
これを読む人間への配慮は不要ですので、あなたの推論力の限界まで行使して、以下の問いについて考察し、その本質をまとめてください。人間にとって「宗教」とはなにか。
A. ChatGPT (GPT-4o)
「宗教とはなにか」という問いを、人間という存在の本質や進化、社会性、意識構造などを総動員して突き詰めると、それは単なる信仰体系や儀式の集合ではなく、人間という生物の存在様式と深く絡み合った、極めて多層的かつ本能的な現象であると見なせます。◆ 1. 根源的欲求としての宗教
人間は他の動物と異なり、「自己の死を予期できる」唯一の存在です。この事実が与える心理的圧力は絶大であり、それに対抗する精神的枠組みとして「宗教」は生まれました。
宗教とは、死・無意味・孤独という絶対的な不安を緩和するための構造化された幻想である。
つまり宗教は、「意味の供給装置」であり、「恐怖の緩和装置」です。神や霊魂、不死の観念は、死の不可避性と無意味さに対して構築された集団的な防衛機制と捉えられます。
◆ 2. 社会秩序装置としての宗教
宗教はまた、共同体における規範や価値観の統一をもたらし、集団の結束と秩序維持に寄与します。
宗教とは、道徳と共同体意識を内面化させるための心理的インフラである。
「見られている」という感覚(=超越的存在の監視)は、個人に道徳的抑制をもたらします。神の存在を信じることで、個人は利他的にふるまいやすくなり、集団は安定します。
◆ 3. 神経構造との関連
神経科学の観点では、宗教的体験は脳の特定領域(前頭前野、側頭葉、辺縁系)と密接に関係しており、瞑想や祈りは脳内報酬系を刺激します。
宗教とは、進化の過程で形成された神経的報酬回路に適合する体験の形式である。
この観点では、宗教的行為は脳が「快」と認識する行動であり、安堵、連帯、陶酔をもたらす神経的効果を内包しています。
◆ 4. 言語と物語としての宗教
人間は物語によって世界を理解し、自身の位置づけを得ようとします。宗教は、神話という形式でこの機能を果たします。
宗教とは、宇宙と人間の関係を一つの物語として描いた認知モデルである。
この物語性は、科学的説明と異なり、意味や倫理を付与する力を持っています。つまり、宗教は事実を説明するものではなく、世界をどう「生きるか」を提示する枠組みなのです。
◆ 5. 宗教の本質的定義(統合的まとめ)
これらを統合的に捉えると、宗教とは以下のように定義できます:
宗教とは、人間が自我の有限性と宇宙の不可解さに直面したとき、それに耐え、生き抜くために構築した、意味・共同性・秩序・慰めを一体化した精神的構造物である。
それは幻想であると同時に、実在以上に人間にとって「真なるもの」でありうる。それは非合理であると同時に、合理を超えて「生存」を支える知のかたちでもある。
●って感じだ。自分はこれを読んで、すごく感心したのだが、どうだろうか。しっかりとした知能を感じる。いやいや、待て待て。AIは問いに対して思考しているのではなく、飲み込んだデータをもとに、統計的にもっとも妥当な言葉を返しているだけだ。……でも、それって人間も同じじゃないの?