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May 15, 2025

東京国立博物館 浮世絵現代

水木しげる 妖怪道五十三次 京都
●東京国立博物館の表慶館で「浮世絵現代」展(~6/15)。浮世絵を生み出した伝統的な木版画の技法を用いて、現代のアーティストたちが絵師となったらどうなるか、というテーマの展覧会なのだが、予想を大きく上回るおもしろさ。最初の一室にマンガ家たちの作品が集められていてる。上は水木しげる「妖怪道五十三次 京都」。鬼太郎と目玉おやじによる妖怪道五十三次。ぷぷ。見事に浮世絵のスタイルにはまっている、と思うじゃないすか。
楳図かずお ぐわし大首絵 雲母摺乃圖
●こちらは楳図かずお「ぐわし大首絵 雲母摺乃圖」。ほかに里中満智子、さいとう・たかを、安野モヨコ、安彦良和らが登場しているのだが、この一室はイントロダクションにすぎない。これはこれでよいのだが、その先がすごい。
イケムラレイコ ミコを抱いて赤のなかに立つ少女
●こちらはイケムラレイコ「ミコを抱いて赤のなかに立つ少女」。こんなふうに現代のアーティストたちの作品が次々と登場する。アーティストたちが絵師となり、アダチ版画研究所の彫師・摺師たちと協働して制作した現代の浮世絵。
塩田千春 Connected to Universe - Red Waves, Red Lines, Red Circles
●塩田千春の Connected to Universe - Red Waves, Red Lines, Red Circles。これが浮世絵とは。近くで見ると、たしかに版画ではある。
ベイン・ピーターソン Untitled 3
●これはベイン・ピーターソンの Untitled 3。こんな幾何学的なスタイルの絵まで浮世絵になってしまう。無機的でいて有機的という不思議なテイスト。
草間彌生 七色の富士 宇宙や人類の生命のありか
●これは労作だろう。草間彌生「七色の富士 宇宙や人類の生命のありか」。背景の空も手前の海も、びっしり小さな点や線が描かれているのだが、それを全部、正確に版に彫っているわけだ。そこまでやるか感。これは色違いの作品がいくつか展示されていた。
東京国立博物館 表慶館
●会場は表慶館。この建物自体も見ごたえがある。内部も立派。
●企画展のチケットで東博コレクション展も見ることができる。もともとコレクション展だけでも一日かけて回り切れない量なので、この日は東洋館にのみ足を運ぶ。それでもうクタクタ。