●昨年、アジアチャンピオンズリーグで準優勝のマリノスが、今季はJリーグでぶっちぎりの最下位だ。ここまで16試合を戦って、1勝10敗5分。目を疑うような不振ぶりで、J2降格の可能性が濃厚になっている。昨晩のマリノスvs神戸戦は1-2。クラブワースト記録の7連敗だ。キャプテン喜田が魂のミドルシュートを決めて同点に追いついたところまではよかったが、時間とともにプレイ強度が落ち、神戸に突き放された。終盤になってもボールホルダーに激しく詰めてくる神戸の選手たちがモンスターに見える。なんであんなに走れるの。
●いや、マリノスだって、以前は鬼気迫るプレイをしていたはずだが……。唯一無二のアタッキングフットボールを実践していたのは昔の話。昨季あたりはすっかり耐えるサッカーに変貌していたが、この試合はさらに開き直って、ボールを前線に放り込むスタイルを敢行。が、これはフィジカルで勝ってこその戦い方だろう。マリノスの選手たちは昨シーズンからずっとACL、カップ戦、リーグ戦と試合が多すぎて、長期にわたる疲労を抱えながら戦っている。みんな体が重い。勇気をもって前にボールをつなげず、後ろに下げてしまうシーンが目立つのは、精神的なプレッシャーのせいもあるかもしれない。なんどもここで書いているが、選手層が薄いままやりくりしてきたつけを払っている。出ていく選手に比べ、獲得する選手たちが少しずつスケールダウンしている。そして、なによりも監督の選択を誤った。解任された前監督のホランドは、攻撃力を下げると同時に守備も弱体化させるという離れ技をやってのけた。なかなかできることではない。
●マリノスはホランドを解任した後、ヘッドコーチのパトリック・キスノーボを新監督に据えたが、監督交代ブーストが一切ないまま連敗街道を爆走中。やはり、内部昇格ではね……。こうなると西野努スポーティングダイレクターへの批判は免れない。
●ともあれ選手たちの必死さは伝わってくる。喜田拓也のミドルシュートは伝説の誕生を予感させた。神がかり的なシュートだったと思う。
May 22, 2025