amazon
May 26, 2025

ハインツ・ホリガー指揮新日本フィルのルトスワフスキ、ヴェレシュ、メンデルスゾーン

ホリガー 新日本フィル
●23日はサントリーホールでハインツ・ホリガー指揮新日本フィル。プログラムは前半がルトスワフスキのオーボエとハープのための二重協奏曲(ホリガー、吉野直子)、ヴェレシュの「ベラ・バルトークの思い出に捧げる哀歌」、ルトスワフスキの「葬送音楽 バルトークを偲んで」、後半がメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」と交響曲第4番「イタリア」。前日の「ハースの音楽」に続いて、連続で「フィンガルの洞窟」を聴くことになるという奇遇。
●ルトスワフスキのオーボエとハープのための二重協奏曲では、ホリガーが自らソリストも務めて吉野直子と共演。ホリガーは86歳。指揮活動だけでも十分に驚異的だが、オーボエ奏者としても現役というのは人間の域を超えている。姿勢もしっかりしているし、出てくる音楽もエネルギーにあふれている。前半の白眉。続いてヴェレシュ、ルトスワフスキとバルトークを悼む音楽。重く、沈鬱。後半のメンデルスゾーンはいずれもルーティーンから遠く、新鮮。とくに「フィンガルの洞窟」が成功していたと思う。非常に描写性が豊かで、大胆なダイナミクスの設定やテンポの動かし方が効果的。じっくりと描かれた海蝕洞追体験ツアー。「イタリア」は各楽章をアタッカでつなげて。
●「イタリア」に入る時点でもう20時45分くらいだったので、正味時間の割には終演時間が遅くなった。前半で2回も舞台転換が必要だったので、その分、押したのかも。意外にも客席の入りはもうひとつだったが、熱心なお客さんが集まったという雰囲気。