●先週、アウェイのオーストラリア戦でついに敗れたニッポンだが、ホーム(市立吹田サッカースタジアム)に帰ってのインドネシア戦では見違えるほど攻撃の質が上がって、派手なゴールラッシュに。なんと、6対0。ゴールは前半に鎌田、久保、鎌田、後半に森下、町野、細谷。森保監督は予想通り、選手を大幅に入れ替え、新戦力もテスト。新しい選手が多かっただけに、アピールの姿勢が強く、大差がついた後も攻め続けた。
●インドネシア代表の選手たちは、ほとんどが帰化選手。先発11人中9人だったかな。インドネシアにルーツのあるオランダ人選手が中心の模様。かつでオランダ代表の左サイドバックにファン・ブロンクホルストっていう選手がいたじゃないすか。バルセロナでもレギュラーだった名選手。彼がインドネシア系オランダ人で、「アジアの血筋をひいていてもヨーロッパの超一流選手になれるのか」と感心していたけど、それが今は逆流して、インドネシア代表の選手がオランダ人ばかりになった。で、監督まで元オランダ代表のスーパースター、パトリック・クライファートになってた! びっくり。でも選手がオランダ人なら、監督もオランダ人になるのは道理か。
●ほとんどニッポンが攻め続けたという意味では、先週のオーストラリア戦も今回のインドネシア戦も同じ。でも、結果はまるで違う。オーストラリア代表にはポポヴィッチ監督の戦略があった。たとえホームゲームでも、とにかく堅く守って、わずかなカウンターのチャンスに賭けるという戦略。守り切ってドローでもよし、あわよくばカウンターで仕留めて勝つ。その「あわよくば」が試合終了直前の最高のタイミングで実現したわけで、ポポヴィッチ監督は笑いが止まらなかっただろう。一方、クライファートはアウェイなのに、オープンに攻め合って、6失点してしまった。耐えて守る戦術などクライファートのサッカー観に合致しないということなのか、オーストラリアの戦い方を参考にする気はなかった模様。それはそれで立派かも。それにしてもインドネシア代表の選手たちのフィジカルコンディションがもうひとつというか、走り負けている感じもあった。あと、チーム一丸となって戦う雰囲気もぜんぜんなく、個人の集合体みたいな感じ……あ、でもそれがオランダの流儀なのか?
●ニッポンは久保がキャプテン。遠藤がいたのに久保がキャプテンになった。新時代の到来。GK:大迫敬介-DF:高井幸大、瀬古歩夢、鈴木淳之介-MF:遠藤航、佐野海舟-森下龍矢(→細谷真大)、三戸舜介(→佐野航大)-久保建英(→佐藤龍之介)、鎌田大地(→中村敬斗)-FW:町野修斗(→俵積田晃太)。フレッシュなメンバーで、代表デビューは鈴木淳之介、三戸舜介、佐藤龍之介かな。佐藤龍之介はファジアーノ岡山所属の18歳。どのゴールもスペクタクルだったが、4点目の森下龍矢(レギア・ワルシャワ)がスゴかった。逆サイドの町野のクロスに対して、ふつうなら中に折り返すところだろうけど右足のボレーでほとんどシュートコースのないニアを抜いて決めた。あのコースが見えてて、そこを狙えるものなのか。ショパン・コンクールの年でもあるし、ワルシャワの選手が躍動するのは納得(←んなわけない)。
June 11, 2025