●24日はサントリーホールでセバスティアン・ヴァイグレ指揮読響。プログラムは、スメタナのオペラ「売られた花嫁」序曲、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(アウグスティン・ハーデリヒ)、ドヴォルザークの交響曲第7番。ヴァイグレ得意のスラヴ音楽プロ。造形はすっきり端正だけど、田園情緒はしっかり味わえる。「売られた花嫁」序曲はスピード感ともっさり感が完璧に融合した奇跡の名曲だと思うが、田舎のあぜ道を全力疾走するみたいな楽しさがよく出ていた。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ではアウグスティン・ハーデリヒが恐ろしくうまい。颯爽として鮮やか。大喝采の客席にこたえて、アンコールにフォレスター~ハーデリヒ編の「ワイルド・フィドラーズ・ラグ」。こちらも鮮烈。
●ドヴォルザークの交響曲第7番には作品にふさわしい大らかさと温かみ。第2楽章のひなびた味わいが白眉か。終楽章は力強く盛り上がって爽快。カーテンコールの後、拍手はいったん収まりかけたのだが、粘り強い拍手が続いてヴァイグレのソロカーテンコールに。ヴァイグレは満足げに喝采にこたえていた。
June 25, 2025