●東京オペラシティアートギャラリーで、今月から「難波田龍起」展が始まっている(~10/2)。オペラシティで取材があったので、合わせて立ち寄る。企画展とはいえ、もともと難波田龍起は東京オペラシティアートギャラリーの所蔵する寺田コレクションの中心作家。ふだんから収蔵品展で見る機会が多い。今回は生誕120年を機にほかの美術館の収蔵作品や個人蔵の作品も合わせて100点あまりを展示。見ごたえ十分。
●抽象画以前の初期作品などもいくらかあるのだが、やはり抽象に接近して以降の画風の変遷がおもしろい。最初のほうはクレーとかカンディンスキーとかブラックを連想したりもするが、だんだん独自の世界へと連れて行ってくれる。
●「コンポジション」(1965)。抽象なんだけど、微妙に生物感があって、獣っぽくもあれば、魚っぽいイメージもある。渾然一体となった生。
●こちらは大地と空のようでもあり、星と宇宙のようでもあり、野原と林のようでもある。寂しげなようでいて、やはり生命に満ちあふれているような気配も。
●毎回思うが、ここのギャラリーは快適度が高い。めったに込まないし、座って休憩する場所もたくさんある。そしてオペラシティ内なので建物全体が広々していて気分がよい。