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September 11, 2025

アメリカ代表vsニッポン アメリカ遠征代表親善試合

アメリカ●かつてはサッカー後進国だったが、国内リーグが発展し、代表もじわじわと強くなって、欧州のトップレベルで活躍するスター選手が増えてきた。それがアメリカ代表。ニッポンと同じような軌跡をたどっているが、現状、FIFAランキングもワールドカップでの実績もほんの少しアメリカが上。次のワールドカップは自国開催なのだから、アメリカこそ本気で優勝を狙える新勢力だろう。10日朝、そんなアメリカとアウェイで中二日で対戦。
●ニッポンは先発全員を入れ替えてサブ組で試合に臨む。が、アメリカは半分くらいの入れ替え。連戦に対する考え方の違いが出た。布陣はともに3-4-2-1のミラーゲームに。前線からの守備はニッポンの生命線。トップの小川、ツーシャドウの伊東(!)、鈴木唯人が相手の3バックにプレッシャーをかける。序盤は悪くなかったと思う。ウィングバックは一対一の勝負になる。ニッポンの左が前田大然、右が望月ヘンリー海輝。とくに攻撃面に関して望月のスケールの大きなプレイは効果的。好プレーをいくつか見せてくれたが、問題は守備。前半30分、望月がアーフステンの突破を許し、クロスに対してセンデハスが長友のマークを悠々と交わしてボレーを決めてゴール。このあたりからニッポンはビルドアップができず、押し込まれるように。
●が、これは予想されたこと。単純にサブ組になると戦力が格段に落ちるのだ。いつもならこうはならないが、今回は怪我等で招集できない選手が多く、AチームとBチームの差がずいぶん大きくなってしまった。これでアメリカ代表と戦うのはきつい。なにしろ長友がセンターバックで先発しているのだ。トップの小川にボールが収まらないのも厳しい。メンバーはGK:大迫-DF:関根大輝、荒木隼人、長友(→瀬古)-望月ヘンリー海輝(→菅原)、佐野海舟、藤田譲瑠チマ(→鎌田)、前田大然(→三笘)-伊東純也、鈴木唯人(→南野)-FW:小川航基(→町野)。
●で、後半から森保監督は4バックに変更。これでミラーゲームが解消されて、少しオープンな展開になると期待するところだが、かえってアメリカがプレーの自由を得た感。後半19分に縦パスを受けたプリシッチがスルーパスを出して、縦に抜け出たバログンがこれを蹴り込んで2点目。パスを出す側にも受ける側にも自由にやらせてしまった。そのままアメリカ2対ニッポン0で試合終了。大迫がファインセーブを連発してひとり気を吐いた。
●もともとこのチームは長く4-2-3-1をやっているのに、久々だとこんなもの? というか、本職のサイドバックが少ないことも含めて、バックラインが本来の布陣からかけ離れていて、これではビルドアップがうまくいかないのもしかたがないか。藤田譲瑠チマは大好きな選手だが、このレベルの相手だとまだ力が及ばない。2試合とも前田大然の持ち味が発揮できなかったのも惜しい。怪我人が多くなると、こういった完全なターンオーバーは難しいことを痛感する。