●やまみちゆかさんの新刊「漫画 パガニーニ ~悪魔と呼ばれた超絶技巧ヴァイオリニスト」(浦久俊彦監修/ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス刊)を読む。著者のパガニーニ愛がひしひしと伝わってくる一冊で、パガニーニの生涯を知ることができると同時に、純粋にマンガとしておもしろい。逸話や伝説の多いパガニーニだからこそ、こういったしっかりした文献にもとづいて描かれたマンガが有効だと思う。シングルファーザーとして息子アキーレを育て上げた逸話にもグッと来るが、そのアキーレが成長して家庭を持ち子や孫たちに囲まれて暮らしたと知ると、妙にほっとする。
●で、もうひとつ、やまみちさんの著書の話題を。私が監修を仰せつかった「マンガでわかるクラシック音楽の歴史入門」(KADOKAWA)の重版が決まった。全出版界における最高に甘美な言葉、それは「重版」。憧れの言葉であり、近年なかなか聞けない言葉でもある。ああ、世の中のすべての本が重版されたらいいのに!(ムリ)。
October 2, 2025