September 14, 2004

メシアン「彼方の閃光」

彼方の閃光●わざわざ予約して発売日に入手したのに、やっと聴いた→ラトル/ベルリン・フィルのメシアン「彼方の閃光」。メシアン好きではないんだけど、ベルリン・フィルならぜひ聴きたいというか、これまでに出ていたこの曲の録音をスルーして来たのがついに報われたとか、スゴく妙な考え方で飛びついてしまった(←絶対まちがっとる)。
●「彼方の閃光」は1992年のニューヨーク・フィル創立150周年を記念して委嘱された作品で、作曲者は初演を聞かずして世を去った。そんな最晩年の作品なんだけど、作風は「トゥーランガリラ交響曲」や「世の終わりのための四重奏曲」から遠くない。「彼方の閃光」というのは復活したものたちを照らすキリストの光のこと。が、作品に込められた宗教的黙示録的題材はとりあえず(しかし永遠に)脇に置いといて、鳥のさえずりや星の輝き、愛の歌を存分に堪能した。80歳すぎた爺さんが書く曲じゃないよなあ。こんなに濃厚な「白鳥の歌」はない。
●ブックレットでロジャー・ニコルズって人が指摘しているんだが、メシアンは奇数、特に素数に惹かれていた。3楽章、5楽章のような自然な構成はもちろんいくつもあって、さらに7楽章の「クロノクロミー」「栄光の御体」、9楽章(素数ではないが奇数だ)の「主の降誕」「ミのための詩」、13楽章からなる「鳥のカタログ」がある。だからそのあいだを埋めるべく「彼方の閃光」は11楽章であると。なるほど。この素数好きをいろんなふうに解釈することは可能だろうけど、まず「お茶目な人」だったのかなあと思った。メシアンに17楽章の曲はあるんだろうか。
●天国ではぜひ193楽章とか8779楽章の素数大作を完成させてください。

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