News: 2010年2月アーカイブ

February 25, 2010

ラ・フォル・ジュルネ2010、今年は東京、金沢、新潟、びわ湖で。

●今年の「ラ・フォル・ジュルネ」は東京、金沢に加えて、新たに新潟、びわ湖でも開催されることになった(あとワルシャワも)。びわ湖、新潟はそれぞれ時期を少しずらして2日間の開催期間。今年のメインテーマは全世界的にショパンなんだけど、東京と地方では規模が違うこともあって微妙にテーマが異なっている。以下にそれぞれの概要と公式サイトへのリンクを。

【東京】
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2010
「ショパンの宇宙」
2010/4/28~5/4(コア期間は5/2~5/4)
東京国際フォーラム/丸の内周辺エリア

【金沢】
ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2010
「ショパン、ジェネラシオン1810」
2010/4/29~5/5(コア期間は5/3~5/5)
石川県立音楽堂他

【新潟】
ラ・フォル・ジュルネ新潟「熱狂の日」音楽祭2010
「ショパンとバロック」
2010/4/30~5/1
りゅーとぴあ他

【びわ湖】
ラ・フォル・ジュルネびわ湖「熱狂の日」音楽祭2010
「ショパンとモーツァルト」
2010/5/1~5/2
びわ湖ホール他

●金沢の「ジェネラシオン1810」っていうのは、ショパンおよび同世代の3人、シューマン、リスト、メンデルスゾーンを特集するという意味。たしかに、この4人が1809年から1811年のわずか3年間に生まれているというのは、音楽史上の特異点っていう気がする。

February 24, 2010

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010記者発表

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010記者発表●さて、いよいよ今年も「ラ・フォル・ジュルネ」が近づいてきた。東京国際フォーラムで開かれた記者発表へ。今年のテーマは「ショパンの宇宙」。アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンが、その概要を語ってくれた。基本コンセプトは「もしショパン自身が音楽祭を組むとしたら」。つまり、ショパン本人の全作品に加えて、同時代の作曲家達や、ショパン自身が敬愛した過去の作曲家の作品も取り上げられる。公式ブログでのレポートはこちらへ。
●で、オフィシャルな話はオフィシャルなあちこちですることにして、ここでは個人的にこれ楽しみたいなーという話題をいくつか記者発表で配布された資料をもとに。
●まず、ポゴレリッチが出る。これがサプライズ。
●今回、テーマがショパンだからどうなるかと思いきや、またコルボが来る。モーツァルトの「レクイエム」他を演奏するショパンのお葬式再現コンサートもオススメなんだけど、さらに楽しみなのがメンデルスゾーンのオラトリオ「パウロ」。もちろん全曲。いやー、こんなチャンスがLFJにあろうとは。
●バロックも聴く。これはショパンの縁のあるものをやる。具体的にはピエルロ/リチェルカール・コンソートとピエール・アンタイ。前者は今年のナントでもヘンデル他を聴かせてもらって至福。アンタイは「ショパンがピアノの練習をする際にまず弾いた」というバッハの平均律から。
●歌手。オルガ・ペレチャッコ。ナントでは圧倒的な大ブラボー、この人以上の拍手をもらってる人はいなかった。ステージでとにかく映える。美しい歌姫。
●今回、ナントのLFJをすでに体験しているので、その実感からすると、「ショパン以外の作曲家だけでも猛烈楽しめる」。もちろん、ショパンは大事だし聴くんだけど、リストやメンデルスゾーン、ベルリオーズも聴きたいし、フンメルとかモシェレスとかアルカンとかカルクブレンナーとか、日頃聴けないものも聴きたい。(これは日本ではやらないかもしれなけど)ワタシはナントでモシェレスの交響曲第1番を聴けた。こういう曲を満員の聴衆が喜んで聴いてる光景って、それ自体がもうすごくて軽く震撼。
●ショパンのチェロ作品とか歌曲もできればこの機会に聴いておきたいところだが、そこまで手が回るかどうか。
●ステキなピアニストを発見したい。

February 15, 2010

「ジークフリート」@新国立劇場

●ワーグナー「ニーベルングの指環」、昨年の「ラインの黄金」「ワルキューレ」に続いて、今年はまず「ジークフリート」から。休憩込み6時間。キース・ウォーナー演出、楽しすぎる。今回もポップな舞台で見どころ満載。ところどころ笑えるところが好き。
おもちゃの剣。攻撃力+1●この「指環」って家族の物語でもあり、恋する少年少女の物語でもあるんすよね。第1幕、ミーメ(ヴォルフガング・シュミット)がジークフリート坊や(クリスティアン・フランツ。胸にスーパーマンの「S」マーク付けてます)から邪険に扱われるところなんかも、この薄汚い小人が悪党だと承知してても、赤ん坊の頃から男手ひとつで育ててやったというのに、ジークフリート酷いヤツだな! と思うじゃないっすか。でもミーメってホントにしょうもないヤツなのは事実なんすよね。どうダメか。
●それはさすらい人ことヴォータン(クリスティアン・フランツ)が尋ねてきたときのクイズ大会。ヴォータンは「お前の知りたいこと3つ問え。この首を賭けてなんでも答えてやる」とミーメに挑む。ミーメはここでクイズ番組の司会者みたいに金ピカのジャケットを出してきて着用し(←可笑しすぎ)、問題を出す。ミーメは「名剣ノートゥングの鍛え方を教えてほしい」と本当に知りたいことを尋ねればいいのに、そうしない。そして代わりに「地の底を統べる者は誰か」とか、次々と自分の知ってる問いを3つ出してしまう。
●ここが本当に愚か者なんだろなあ。知りたいことを聞けばいいのに、わざわざ答えの知ってる問いを出す。それはなぜかといえば、自分は知恵者だと思っているから。「僕はこんなにモノを知ってる、賢いんだ」と自己承認欲求丸出しでアピールせずにはいられない。自分の無知を認められない。ミーメといい、アルベリヒといい、小人族はそろいもそろって愚か者で、しかも強欲である。世界をこんな小人たちの好きにさせたらろくでもないことになる。昔からいうもん、「小人閑居して不善をなす」って。えっ、それ違う?
●ノートゥングは「怖れを知らない者」しか鍛えられない。だからジークフリートが自分で鍛える。まずバラバラに細かく砕いて、ジューサーミキサーでミルクかなにかといっしょに攪拌して、ボールに入れてレンジでチン! それから火床で焼きを入れると、はい、出来上がり!
●ジークフリートについて。昨年見たお父さんのジークムントは筋肉モリモリの精悍な戦士だったけど声が出なかった。息子は声は出ていたけれども、怖れを知らない食欲のために丸々としている。きっと少年だから。少年期はジャイアンくらいで、大人になると筋骨逞しい勇者になるパターンってよくある、たぶん。
●第2幕は、着ぐるみの森の動物たち大集合でほのぼの。けだものラブ! で、森の小鳥さん(安井陽子)が宙吊りになって空を飛ぶんだけど、落ちやしないかと見ていてドキドキハラハラ。なんでこんな心配になるのかと思うほど。怖かった。ワタシは怖れを知る凡人なので。しかも最後に着ぐるみ脱いで防火服(火の山に向かうから)に着替えるんすけど、そこでまたドキリ。
●ジークフリートとファフナー(妻屋秀和)対決シーンは、さすがに大蛇を写実的に表現するのではなく、お前らショッカーの戦闘員かと思うような大蛇の手下軍団が出てきて、ジークフリートと戦う。ジークフリートはジャイアンなのでスピードはないが、戦闘員たちはみんな軽々とバク転できるくらい動きにキレがある。にもかかわらず、ジークフリートが全員を倒す。これが魔剣ノートゥングの威力なのかっ!
●この「指環」、舞台内のTVモニターをうまく活用している。2幕のジークフリートとミーメのやり取りとか。あと、映画とジグソーパズルのモチーフは今回も健在。
●第3幕、ブリュンヒルデ(イレーネ・テオリン)が帰ってくる(去年と人は代わってるけど)。「ワルキューレ」の演出で強調されていたように、ブリュンヒルデは子供なんすよね。愛馬グラーネはまた揺り木馬になってる(笑)。ベッドに横たわってて、目覚まし時計が置いてあって、本物の火が燃えている。で、ジークフリートも男の子。思春期の男子と女子の出会い、神話時代のボーイ・ミーツ・ガール。
●「ジークフリート」は音だけで聴いてると発散できる場面がなくて長さを感じるんだけど、舞台で見るとこんなに抒情的でやさしい音楽だったのかとウルっとするシーン多々あり。とりあえず世界の行方についてはおあずけにして、邪悪なヤツはみんな死ぬし、ラブストーリーだし、4作のなかで「美しい物語」はこれだけかも。でもな、これだけじゃ収まらないんだ、こっちは。もっと世界がドッカーン!と壊れたり創られたりしなきゃ。だから、来月も劇場に行かねばならぬ、神代の終焉をこの目にするために。

February 9, 2010

映像ストリーム配信あれこれ

クラシックのネットラジオと音楽配信リンク集に以下を追加。

medici.tv
簡単な登録さえ済ませれば、コンサートやオペラのライブ映像を見ることができる。無料の映像がいくつか+有料コンテンツ多数。画質はLOWとHIGHあり。1日または月額の定額料金。カタログからの有料ダウンロードも可。今、無料で見られるのはゲルギエフのチャイコフスキー、パリ・オペラ座のマスネ「ウェルテル」、ユロフスキ/OAEのベートーヴェンなど。

OperaLive
ベルギーのリエージュ・オペラ(ワロン王立歌劇場)による映像配信。有料ストリーム配信で1回券と3回券あり。どうしてここが、と思うほどしっかりした作り。

●とはいえ、映像モノはなかなか見られない。年間パスを購入しているベルリン・フィルだってぜんぜん追いつけていないわけで(さらにいえばテレビの音楽番組も録画してためっぱなし、とか)。
●音楽ネタじゃないけど、もうひとつ。NHKバンクーバーオリンピック・ライブストリーミング(2/14~2/28)。日本国内で生放送されない競技を中心にライブストリーミングしてくれるという。国際信号をそのまま届けるということで、日本語実況は付かない。これ、もしかするとアイスホッケー・ファンとかバイアスロン・ファンにはスゴい朗報なのか?

February 5, 2010

「ばらの騎士」@METライブビューイング

silverrose.jpgMETライブビューイングで「ばらの騎士」。ルネ・フレミング(元帥夫人)、スーザン・グラハム(オクタヴィアン)、クリスティーネ・シェーファー(ゾフィー)、クリスティン・ジグムンドソン(オックス男爵)。エド・デ・ワールト指揮。1969年ナサニエル・メリルの王道豪華プロダクション。
●いいっすよねー、「ばらの騎士」。「音楽は最高なんだけど、この脚本は変テコだよなー」的な言い訳とか脳内補正を必要としない完璧なオペラ。物語的にこれだけ共感しながら味わえるオペラはなかなかない。じゃ、誰に共感するかというと、やっぱり元帥夫人視点が第一選択肢なんだけど。第二選択肢はオックス男爵。オクタヴィアンは若さがまぶしすぎてウザい。ゾフィーは男子の人生に仕掛けられがちな罠。オペラ界において、ゾフィーとミカエラとリューは三大危険人物という説。
●あー、でももうこの登場人物、全員ワタシよりずっと年下になってるってのもスゴい。オクタヴィアン17歳はいいとして、元帥夫人だって32歳。ぜんぜん若い女のコだ。オックス男爵が35歳くらい? 前にも書いたけど、まだまだフルコートでサッカーできるくらい若い。オックス男爵がゴール前でボレーシュートを打つ場面を思い浮かべることもホントは可能だ。オクタヴィアンがあっという間にオックス男爵のようになることが容易に想像できるし、ゾフィーだってどこかで自分の「カンカン」を見つけるだろう。儚い。
●昔はじめて観たときには「オックス男爵はヤなヤツだなー」と思うだけだったけど、だんだんこのキャラが好きになってくる。とことん下品だけど貴族。オックスの退場シーンって、なんか哀しい。「パパー、パパー」って歌う子役たちが音楽に合わせてすごく楽しそうに踊ってるのがまた悲哀を増すというか。
●幕間は豪華にもドミンゴが司会で登場、歌手にインタビューする。ルネ・フレミングはスーザン・グラハムと本当に仲がいいみたい。「METアカデミー時代からの親友で、二人とも彼がいないときはお互いが唯一のキス相手だったのよ」とか言って笑わせる。

February 3, 2010

ナント「ラ・フォル・ジュルネ」より帰還

ナント「ラ・フォル・ジュルネ」2010

●ナント「ラ・フォル・ジュルネ」より帰還。ぐったり。移動の疲れというよりも、だだっ広い場所を毎日朝から深夜まで歩き回ったという(しかもずっとノートPC抱えて)、日本でのLFJと同種のお祭りの後の疲労感あり。公式レポートは青澤隆明さんといっしょに書いてます。一人では絶対ムリ。
●今回のテーマは「ショパンの宇宙」。5月の東京と同じ。「ショパンが嫌いなわけじゃないけど、毎日ノクターンやらマズルカを聴き続けるのはしんどいなあ」と少し心配してたんだけど、これはまったくの杞憂。自分が選択的にそういうものを聴いたせいもあるけど、ショパン以外にもベルリオーズ、リスト、パガニーニ、ヘンデル、ロッシーニなどバラエティに富んでいた。バロックもオペラ・アリアもシンフォニーもある。ルネ・マルタンは「ショパンが音楽祭のディレクターだったら、どんなプログラムを組むか」という視点で編成したといってて、ショパンと同時代の音楽に加えて、ショパン自身が好んでいたバロックとかベルカントの要素も入ってくる、と。
●出演アーティスト陣のなかで圧倒的に客席でウケていたのが、ソプラノのOlga Peretyatko(オルガ・ペレチャッコ?)。ほとんど出てきただけで大ブラボーみたいな。声も容姿も美しくて、ものすごく華がある。
●最終日の公演で隣のフランス人の老夫婦から話しかけられた。「フランス語、わかるか?」「いや、ぜんぜんわかりません」「昨晩、このホールで弾いてたよね、ピアノ。すばらしかったよー」「あ……いや、それ小曽根真さんだし。僕、ただのジャーナリストっす」「あっはっは、そりゃ失礼~」的な展開。日本人みな同じ顔。
●そういえば、東京の「ラ・フォル・ジュルネ」でも(公式レポート用に)宮本笑里さんの写真を撮ってたら、「あの……、笑里さんのお兄さんですよね!」って知らない人から話しかけられたっけ。この音楽祭ではよく他人と間違えられる。ていうか笑里さんのお兄さんって誰?

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