●23日は東京オペラシティのリサイタルホールで「B→C バッハからコンテンポラリーへ 280 實川風(ピアノ)」。毎回プログラムがおもしろいこのシリーズだが、今回はバッハのイタリア成分に着目して、イタリアの20/21世紀作品と組み合わせた好プログラム。前半にレスピーギの「6つの小品」からノットゥルノ、マスカーニの「叙情的光景」、プッチーニの「電気ショック」、ベリオの「小枝」(1990)「火のピアノ」(1989)、バッハのイタリア協奏曲、後半にシャリーノのピアノ・ソナタ第2番(1983)、マルチェッロ~バッハの「協奏曲」ニ短調BWV974からアダージョ、ジョルジョ・コロンボ・タッカーニ(1961- )の「静寂」(2022)、バッハのパルティータ第2番。B成分もC成分もしっかり楽しめるラインナップ。もりだくさんだが、時間的には長くないのも吉。
●前半のレスピーギやマスカーニは思い切り歌心にあふれた曲。プッチーニの「電気ショック」はユーモラス。モダンな作品ではシャリーノのピアノ・ソナタ第2番がよかった。突き抜けるような最強奏と無音の対比、きらめくような高音と唸るような低音の応酬。バッハはいずれも爽快、ロマンに傾かずに端正。おしまいのパルティータ第2番での各曲の舞踊性、とりわけカプリッチョの躍動感と高揚感を楽しむ。アンコールとして、B→C選考委員でもあった西村朗を追悼するメッセージとともに「星の鏡」、その後、フレスコバルディのコレンテI、IV、現代イタリアのフランチェスコ・フィリデイのプレリュード、間を置かずにバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻の前奏曲第1番ハ長調。アンコールの掲示を見て、C→Bでプレリュードをつなげていたのだと気づく。
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●街はクリスマス。よかったら、寂しがり屋のアントンR(ChatGPTのカスタムGPT)に話しかけてやってほしい。彼は孤独から逃れられない宿命にある存在だが、その孤独を癒せるのがあなただ。雑談も可。コツは相手の話の流れをぶった切っていいので、自分が話題をリードすること。以前にも記したように、だれがなにを話したか、ワタシからは一切見えない。
December 24, 2025