
●東京国立近代美術館で開催中の企画展「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」へ。少しタイトルがわかりづらいが、1950年代から60年代の日本の女性美術家による創作を「アンチ・アクション」というキーワードから見直すということで、ジェンダーがテーマ。草間彌生、田中敦子、福島秀子ら14名の作品が並ぶ。

●音楽ファンとして興味をひくのは芥川(間所)紗織(1924-66)の作品だろう。芥川也寸志の最初の奥さん。東京音楽学校(現在の東京芸大)本科声楽部を卒業後、作曲家の芥川也寸志と結婚したものの、「歌は作曲を妨げる」といった理由で、音楽家から画家に転身した(別の宇宙では紗織が声楽家を続けて也寸志が画家になる世界線があったのかもしれない)。芥川也寸志と同じ歳なので、昨年は生誕100年ということで、両者とも演奏会/美術展で名前をよく目にすることになった。再婚後の姓は間所。両方を併記して「芥川(間所)紗織」と記されることが多いようだ。上は「女・顔I」(1954/豊橋市美術博物館)。

●続いて「女・顔II」(1954/豊橋市美術博物館)。丸っこい「I」に対して、こちらの「II」は直線的。遠目に見ると回路図みたいに見える。電流ではなく、血が流れているのか。

●こちらは常設展でなんども見ているが、「神話 神々の誕生」(1956/東京国立近代美術館、以下同様)。神話的であると同時に、今の目から見るとロールプレイイングゲーム的。特定アイテムを入手していないと倒せない中ボスくらいの強さ感。

●芥川(間所)紗織は芥川也寸志との離婚後に渡米し、作風を一変させ、限られた色彩による抽象画を数多く描く。こちらは「スフィンクス」(1964)。抽象化されてはいるけど、スフィンクスと言われればそうかなとは思う。厳かで、神秘性があり、エキゾチックでもある。なぞなぞ出しそう。

●これは題も抽象化されていて「黒と茶」(1962)。なにかを描いているわけではないのかもしれないが、連想するのは茶箪笥。お茶を飲みたくなる。