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February 2, 2026

バッハ・コレギウム・ジャパン ベートーヴェンへの道 vol.1

●31日は鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパンで「ベートーヴェンへの道 vol.1」。プログラムは前半がC.P.E.バッハのシンフォニア ト長調Wq.182-1、ベートーヴェンの交響曲第1番、後半がベートーヴェンの交響曲第2番。珍しく声楽なしのBCJ。コンサートマスターに寺神戸亮、第2ヴァイオリンのトップに白井圭、ホルンに福川伸陽、クラリネットにロレンツォ・コッポラ、ティンパニに菅原淳。名手たちがずらり。
●エマヌエル・バッハのシンフォニアは痛快。鈴木優人のチェンバロを中心に小編成のアンサンブルで小気味よく。ベートーヴェンの2曲の交響曲からは、作品本来が備える規格外のやんちゃぶりが伝わってくる。ピリオド楽器でベートーヴェンを聴く機会はなかなか貴重なのだが、やはり表現のコントラストの大きさを感じる。物理的なダイナミクスは小さいはずなのに、感覚的にはむしろ逆に感じるところがあるのが不思議。荒々しい部分としなやかな部分、透明感のある響きとざらりとした粗い質感の対照、さらにはテンポや音色など至るところで強烈なコントラストが仕掛けられていて、次から次へと大小さまざまなイベントが発生する。自分が当時の聴衆だったら、初めて聴いてこれを味わえたか、まったく自信がない。交響曲第1番の冒頭からして「途中から始まってる」感が半端ない。とくに美しいと思ったのは交響曲第2番の第2楽章。この楽章の目的地が定まらないまま漂泊するような雰囲気が好き。
●交響曲第2番の終楽章で熱いクライマックスを築いた後、カーテンコールがあり、アンコールで同楽章の後半をもう一度。こういった本来のアンコール、つまり本編の一部をもう一度演奏するのは楽しい。ぐっとはじけた自由な指揮ぶりはアンコールならでは。
●東京オペラシティが休館中のため会場がサントリーホールだったが、9月のシリーズvol.2はオペラシティに戻る。次は交響曲第3番「英雄」とケルビーニのレクイエム ハ短調。

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