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February 13, 2026

ポケモンと人間の関係について

雑誌「SWITCH」3月号の特集は、ポケモン30周年を記念して「ポケモン百景」なのだとか。30年でポケモンの世界がここまで大きく広がったことには驚くばかり。実はわりと最近になって知ったのだが、ポケモンの世界には人間以外の動物が存在しない。動物がいない代わりに、ポケモンたちが棲息するという設定なのだ。となると、食物連鎖はどうなっているのか、疑問がわく。ポケモンの世界で食事シーンが描かれた場合、そこで食べているものが一見、肉に見えたとしても、実は大豆ミートなのかもしれない。全員ベジタリアンなのか、あるいは人間がポケモンを食べることもあるのだろうか。
●私たちの世界には動物と植物がいる。ポケモンの世界には、人間とポケモンと植物がいる。が、この設定は少し奇妙ではある。生物には人間、ポケモン、植物の3種がいるとしたら、人間は唯一の動物ということになるが、それではどんな進化の筋道をたどったのか、説明がつかない。となれば、人間もポケモンの一種と考えるのが合理的だろう。実際に、ポケモンのなかかには、ユンゲラーのようにもとはエスパー少年だったとか、ゲンガーのように人間のなれの果てだとか、人間が変化した種がいくつかあり、あちこちで近縁種としてつながっていそう。生物はポケモンと植物の2種類。そう考えると、すっきりする。人間はおそらくノーマルタイプ。
●それで思い出すのは、ジーン・ウルフ著「ケルベロス第五の首」(柳下毅一郎訳/国書刊行会)。注意深く読まないとなにを読んでいるのかわからなくなるタイプの巧緻な小説で、よく難解と言われる作品だが、この物語にはサント・クロアとサント・アンヌという双子惑星が出てくる。サント・アンヌにはかつて姿を自在に変える原住種族がいたが、植民した人間たちによって滅ぼされてしまったとされている。が、異説として、実はサント・アンヌの種族たちは人間に姿を変え、人間を滅ぼして自分たちが人間として生きるうちに、出自を忘れてしまったのだとも言われる。人間とポケモンの間にも似たような関係があるのかもしれない。