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March 11, 2026

鈴木優人指揮読響のベートーヴェン(成田達輝)、モーツァルト

鈴木優人 読響
●10日はサントリーホールで鈴木優人指揮読響。弦は対向配置、10型、コントラバス4台が後方に横一列に並ぶスタイル。プログラムはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(成田達輝)、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」。前半、目をひく衣装で登場した成田達輝のソロが、かつて聴いたことのない異次元のベートーヴェンで、すさまじいインパクト。第1楽章、提示部からオーケストラに気迫がみなぎっていて、かなり彫りの深い音楽だったが、ソロが入って納得。慈しむような最弱音から輝かしい最強音まで駆使して、ベートーヴェンと自在に戯れるかのようなソロ。隅々まで表現意欲にあふれ、ときには瞑想するかのようでもあり、ときにはヴァイオリンが白煙を上げそうなほど激烈。ずっとなにかが起きている。カデンツァは未知の世界。途中で主題を朗々と歌いながら弾いたのにはびっくり。ヴァイオリンでさらに一声部を増やす方法として、そんな奥の手があったとは!(以前、コパチンスカヤがリゲティだったかで歌ったことがあったとは思う)。すべてにおいて最高水準の演奏を聴かせてもらったという実感で、もうしばらくはこの曲を聴かなくていいかも。演奏が終わると、感極まってソリストと指揮者が熱く抱擁、客席も大喝采。オーケストラもソリストの音楽にしっかりと寄り添って、ひとつになった。なかなかこういった協奏曲は聴けない。アンコールに成田が「一曲、書いてきました」と言って、「ニコロ・アマデウス・ヴァン・ベートーヴェン」なる題の曲を披露。モーツァルトの「ジュピター音型」やピアノ・ソナタ ニ長調K576の冒頭、ベートーヴェンの「エリーゼのために」など、断片的な名曲がパガニーニ流に超絶技巧で彩られる。
●前半の印象があまりに強すぎたが、後半の「ジュピター」もすばらしかった。機敏で生命力にあふれ、透明感があり、管楽器の動きがよく聞こえる。前半の熱気が後半にも受け継がれていた。開演前は少し短めのプログラムかなと思ったが、終わってみればいつもの時間。
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●本日は3月11日。2011年から15年経った。自分のブログの2011年3月のページを読み返して、あれこれを思い出す。