●14日はサントリーホールで沖澤のどか指揮京都市交響楽団。京響70周年&サントリーホール40周年記念公演。プログラムはリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、矢代秋雄のチェロ協奏曲(堤剛)、シュトラウスの「家庭交響曲」。矢代秋雄のチェロ協奏曲の初演は1960年。N響の世界一周演奏旅行のための作品であり、その初演者が当時18歳の堤剛。それから66年もの時を経て、現在サントリーホールの館長も務める堤剛が同曲を演奏するという偉業。まさにレジェンド。内省的なモノローグ風の独奏ではじまり、晦渋な楽想が続くが、後半は管弦楽が「春の祭典」ばりに荒ぶる妖しい祝祭。嵐が去っても独奏チェロはひたむきに内面に向き合うかのように独白を続ける。おしまいの余韻が味わい深い。渾身のソロ。アンコールにバッハの無伴奏チェロ組曲第5番のサラバンド。
●沖澤のどか指揮のシュトラウス「ドン・ファン」はサイトウ・キネン・オーケストラとの演奏があったと思うけど、今回は京響。コンサートマスターに特別名誉友情コンサートマスターの豊嶋泰嗣、ヴィオラにはソロ首席ヴィオラ奏者の店村眞積と両翼に重鎮が構えて、サイトウ・キネンを連想させる布陣。冒頭がビシッと決まって、勢いがあり、なおかつバランスのとれた端然とした「ドン・ファン」。「家庭交響曲」も同様に描写性や陶酔性に過度に傾かず、ていねいで明快整然。管楽器のソロは巧みで名手ぞろい。「家庭」という題材、素直に考えれば三重奏とか四重奏くらいのスケール感なのに、これだけの大編成大音響で演奏至難な大作を創造するシュトラウスの破格の構想力にあらためて感嘆する。フィナーレは壮大。客席は盛大にわきあがった。ファンの熱さを感じる。
April 15, 2026