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May 20, 2026

パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団

●19日はサントリーホールでパーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団。プログラムはシューマンの「ゲノフェーファ」序曲、ブラームスのヴァイオリン協奏曲(ジャニーヌ・ヤンセン)、チャイコフスキーの交響曲第5番。このコンビをライブで聴くのは初めて。パーヴォの指揮はN響でたくさん聴いてきたけど、来日オーケストラとの共演も多い。ドイツ・カンマーフィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ、パリ管弦楽団、シンシナティ交響楽団……。どこのオーケストラを振っても、輪郭のシャープな明瞭鮮烈なパーヴォ印のサウンドが出てくるんだけど、同時にオーケストラのカラーが生かされているのがおもしろいところ。チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の柔らかくてノーブルな響きを堪能。温かみを感じる。チャイコフスキーの交響曲第5番はパーヴォとしては意外なレパートリーかなと思ったけど、このコンビで録音がリリースされていることに気づいて納得。
●弦は対向配置、コントラバス下手、16型。シューマンの「ゲノフェーファ」序曲、名曲プログラムとしては渋めの曲ながら、パーヴォが振るとシューマンですら鮮やかに。ブラームスではソリストのジャニーヌ・ヤンセンが大熱演。以前にパーヴォ&N響で同じ曲を聴いてパワフルな人だと思った記憶はあるけど、ここまで強烈だったかな。とくに終楽章はダイナミックな表現で、オーケストラの厚いサウンドをものともせずに真っ向から対峙する。燃えるようなブラームス。アンコールにバッハの無伴奏パルティータ第2番よりサラバンド。
●後半、チャイコフスキーの交響曲第5番は期待を大きく上回るおもしろさ。全楽章ほとんど間を置かずに一気呵成。鮮烈なサウンドで、土の香りを感じないきらびやかなスペクタクルではあるのだが、テンポの操作など造形はエモーショナル。録音も済ませ、ツアーでもなんども演奏しているだろうに、フレッシュさを失わない。この曲にはほとんど避けがたい「気恥ずかしさ」があると思うんだけど、パーヴォだと恥ずかしくない。心の底から楽しめる。終楽章、あまりに盛り上がったので、コーダ前で拍手がでないかと一瞬心配になったが、サントリーホールで出るわけないか。客席の盛大な喝采に続いて、アンコールにアルヴェーンの「グスタフ2世アドルフ」より「エレジー」。父ヤルヴィが録音している曲。パーヴォのソロ・カーテンコールあり。
●パーヴォとチューリッヒ・トーンハレ、チャイコフスキーの交響曲全集のほかにもマーラー、ブルックナー、メンデルスゾーンなど、次々とレコーディングをリリースしてすごいなと思うんだけど、こういうのは日本以外でも物理CDが売れるものなんだろうか。どういうビジネスモデルで成り立っているのか、気になるところ。

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