
●さて、まもなく4年に1度のフットボールの祭典、ワールドカップ2026が開幕する。開幕戦は6月12日午前4時だ。しかしこの大会をなんと呼べばいいのか? 北中米大会、それともカナダ・メキシコ・アメリカ大会なのか(長い)。いや、そんなことはどうでもいい。問題は今回から参加国が48か国になり、試合数が全104試合に肥大化していることだ。あまりに試合数が多い。AからLまで12ものグループがあり、各グループの上位2位、および3位チームの上位8チームが決勝トーナメントに進出できる。は? つまり48チームを32チームに絞るために、グループリーグ72試合(6試合×12グループ)もするの? だれですか、こんな非効率な試合方式を考えたのは!
●というと、サッカー古老の人はこう言うかもしれない。「いやいや、32チームに増えたフランス大会より前は、24チームが参加して、そこから16チームを残すためにグループリーグをやってたんだから、昔も似たようなものじゃないの」。ちーがーうーーー。24チームなら全チーム追いかけられたでしょ。今は48チーム! 参加国を全部言えない。知ってた? キュラソー代表やハイチ代表やカーボベルデ代表が大会に参加していることを。
●そもそもわれわれファンにとって、ワールドカップの戦いとは仕事など生活との両立をどうするかという戦いでもある。時差の問題も含めて、戦略性が必要。仕事については、自主的に「ワールドカップ進行」をして、できるものはどんどん先取りして済ませるという考え方もある……と書いてみたけど、ムリか。なにせワールドカップは一か月を超える長丁場だし。それで、思ったんだけど、もうグループステージは日本戦とブラジル戦だけ追いかけるみたいな割り切りが必要なんじゃないか。だって、決勝トーナメントの時点でまだ32チームも残ってるから、そこからが「ワールドカップ本大会」みたいなもの。
●で、ああだこうだと言いつつ、ここからが本題なんだけど(えっ)、今大会は番狂わせが続出して、いわゆる強豪国(優勝経験国)がどんどん敗退すると思う。理由はいくつかあって、ひとつはもちろん各国間の実力差が縮まっていること、もうひとつはVARでフェアになったこと(大舞台の経験の乏しい主審でも勇気をもって強豪国に不利な判定を出せる)、あとはトーナメントが32チームから始まるので一発勝負が1試合増えたこと。現代サッカーにおいて、決勝トーナメントに入ったら、強豪国でも90%勝てる相手なんてほぼ存在しない。せいぜい70%から80%くらいの勝率だろう。たとえば75%の勝率でも、3連勝できる確率は42%しかない(0.75^3=0.42)。決勝トーナメントに入ってから優勝するまでに必要なのは5連勝だ。強くても運の助けがないと勝ち続けるのは難しい。
●あるブックメーカーのオッズを見たところ、優勝国の上位3つはスペイン16%、フランス16%、イングランド11%。最強国でもこの程度の優勝確率とみなされている(ここでは胴元のマージンを考慮しない)。ブラジルでも8%、ドイツでも5%。つまり、かなり分散しているのだ。ノルウェー、ベルギー、コロンビア、日本、モロッコあたりはいずれも2%。ドイツの5%と比べて極端に低いわけではない(かつてないほど日本が評価されている!)。別の言い方をすれば、どの国であっても「当たりくじ」を引かないかぎり、優勝できないとも言える。
June 10, 2026