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June 17, 2026

小林研一郎指揮読響、牛田智大のショパン&チャイコフスキー

●ワールドカップ期間中だが、演奏会もある。16日はサントリーホールで小林研一郎指揮読響。プログラムはショパンのピアノ協奏曲第2番(牛田智大)とチャイコフスキーの交響曲第5番。ゲストコンサートマスターに白井圭。チケットは完売。若くて爽やかなソリストと86歳の炎のマエストロの共演。ショパンは端正で優美。リリカルな第2楽章が白眉。ソリスト・アンコールはショパンだろうと思い込んでいたら、ブラームスの間奏曲作品118-2で意表を突かれた。情感豊かで、本編に劣らない聴きもの。若いピアニストがこういった晩年の枯れた作品を弾くのは大歓迎。
●ちょうど前半が終わったところでホール内のあちこちから異音がざわざわ……と響いて、焦る。これはなんどか経験があるが、残響の豊かなホールでいっせいに緊急地震速報が鳴ると(スマホの電源を切るべきか切らないべきかは脇に置いて)、こういったざわざわ音になる。大きな揺れが来るのかと身構えたが、来なかった。休憩時に確認したら震源は茨城県南部でM5.5、約50km、最大震度5弱。大地震ではなかった。
●後半はマエストロの十八番。チャイコフスキーの交響曲第5番を聴くというか、「コバケンのチャイ5」という磨き上げられた様式美を堪能する。きわめて濃厚でエモーショナル。読響がうまい。まるで予告ホームランのようにマエストロが左手で客席を指し示すと、「待ってました!」の声(ウソ。心のなかの声)。実際、あれは予告ホームランなんだと思う。同じ曲を最近、パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団で聴いて感心したばかりだが、まさに「同じ山を別の道から登る」といった様子で、途中で目にする風景はまったく違うけど、たどり着いた場所は同じ、みたいな感覚になる。
●カーテンコールでマエストロがマイクを持って、挨拶。アンコールはお約束の「ダニーボーイ」。マエストロはあと4回でサントリーホール出演500回なのだとか。前人未到の領域。ちゃんとカウントしている人がいることにも驚く。