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June 22, 2026

ペッカ・クーシスト指揮東京都交響楽団のシベリウス、ヒルボリ他

ペッカ・クーシスト 東京都交響楽団
●遡って19日はサントリーホールでペッカ・クーシスト指揮都響。クーシストは2028年4月から都響の首席指揮者を務めることになっており、現在はアーティスト・イン・レジデンス。新シェフとして、いい人を見つけたなと思う。新味があり、なにが起きるかわからないドキドキ感がある。
●この日はさっそくクーシストならではの北欧プログラムが組まれ、前半がシベリウスの組曲「恋人」、現代スウェーデンの作曲家アンデシュ・ヒルボリの「バッハ・マテリア」(2017/日本初演)、後半がやはり現代スウェーデンの作曲家アンドレア・タッローディの「きりん座」(2011/日本初演)、シベリウスの交響曲第5番。なお、冒頭にコントラバス奏者の柴田乙雄への追悼演奏としてバッハの「G線上のアリア」が演奏された。
●前半は指揮台が置かれず、クーシストはヴァイオリンを弾きながらリード。白眉はヒルボリの「バッハ・マテリア」。バッハのブランデンブルク協奏曲第3番と対をなす作品としてクーシストのために書かれた曲。チューニングをしていると思ったら、そのまま曲が始まるという趣向はこれが初めてではないが、それでも効果的。ウィットに富み、次々といろいろなイベントが起きる。カモメの鳴き声みたいなヴァイオリン、歌声、口笛、バッハからの引用、即興……。アイディアが豊富、饒舌。クーシストのヴァイオリンは切れ味鋭く、冴えに冴えていた。
●後半、演奏を始めかけたところで、客席のどこかからスマホのアラーム音が聞こえてくる。アラーム音が止まるのを待つが、なかなか止まず、客席にささやかな笑い声。これは演奏中ではなかったので笑い話。自分のスマホが鳴っているのに所有者が気づかないという現象は、これまでもくりかえしコンサートホールで起きてきた現象であり、まったく他人事ではない。そんなはずはないという思い込みがあって、気づきにくいのだと思う。やはりスマホは電源を切るのが正解だろう。
●タッローディ「きりん座」は、キリンと友達になっていっしょに遊ぶユーモラスな夢がきっかけとなって書かれた小曲。きらびやかな響きが、星々のイメージを喚起する。作曲者臨席。おしまいはシベリウスの交響曲5番。いつ聴いてもフレッシュな作品だと思っていたが、この流れで聴くとずいぶんと保守的な音楽に聞こえる。明快で俊敏、過剰なエモーションやスペクタクルを求めない。のびのびとした大らかなシベリウス。カーテンコールでクーシストが客席に降りてきて、オーケストラを拍手で讃えていた。クーシストのソロ・カーテンコールあり。

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