●2日は東京オペラシティで「鈴木愛美 小井土文哉 谷昂登 Concerto Festival」。3人の若手ピアニストが登場して、一夜で3曲の協奏曲を弾くという演奏会。前半は小井土文哉がラヴェルのピアノ協奏曲、谷昂登がシューマンのピアノ協奏曲、後半は鈴木愛美がベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を弾いて、沼尻竜典指揮東響と共演。3人ともこれまでに1~3回ほど聴いたことのある人なので、サプライズではなく、それぞれが進境を示す好演。小井土文哉のラヴェルは軽妙洒脱というよりは重くロマン的で、筆圧強め。谷昂登のシューマンは強靭なタッチで白熱、前へ前へと直線的に驀進するシューマン。
●白眉は鈴木愛美のベートーヴェン。清新さと格調高さを兼ね備えた本格派のベートーヴェンで、造形としてはオーソドックス。作品の核心に迫る説得力のある表現。華よりも聡明さを感じる。これまでにくりかえし第3番を弾いていたけど、今回は第4番。着実に作品を手の内に収めているといった様子。客席は盛大な喝采。オーケストラも集中度が高く、サポート役に留まらない聴きごたえのある演奏。東響は歴代指揮者陣との蓄積があって、やはりベートーヴェンがうまい。
September 3, 2026