
●ふだん、このサイトのアクセスログを見ることはないが、思うところがあって久々に生ログを眺めてみた。現状、このサイト全体で一日あたり平均1万1千から1万2千ページのアクセスがある。昨年の11月に遅まきながらサイトをセキュア化したら(httpからhttpsにした。遅すぎ)、アクセス数が即座に回復し、今も増加傾向にある。それまではhttpであるがゆえに年々Googleからのランク付けが下がっていたようなのだが、httpsにしたら戻ったらしい。
●もっとも、一日に1万2千ページ読まれているといっても、本日の新しい記事をその日のうちに読んでくれる人は推定10分の1程度で、大半のアクセスは過去記事に対してのもの。毎月、Googleからアクセス上位ページのランキングが送られてくるが、決まって上位に入る記事がいくつかあって、そのなかには大昔の記事も含まれる。そういった上位記事は累計するとけっこうなアクセス数になるだろう。XなどSNS上の人気投稿は数時間から一日くらいで爆発的に広まって数日で落ち着くのに対して、ブログの記事は何か月とか何年とか経ったときに「あ、これ、実はバズってた」「こっちはだれも読んでなかった」とわかる長距離砲みたいな感じだ。アーカイブめがけて遠投している気分で、どこまで飛んだかは時間が経たないとわからない。
●で、どうしてアクセスログを見たかといえば、理由はAIだ。あるとき、Geminiに質問をしたら、回答の典拠として自分のブログが出てきた。少し間抜けな状況だが、AIが読みに来てくれているのは歓迎すべきこと。じゃあ、その足跡がアクセスログに残ってるんじゃないの?と思い、確かめてみたのだ。
●たった一日のログを見ただけなんだけど、AIはいっぱい来てた。たとえば、ChatGPTからやってくるクローラーには3種類あって、それぞれ異なるUser-Agent名を残していく。各々の名前と役割はこうなっている(ChatGPT本人談)。
GPTBot:AIモデルの学習・改善に利用する可能性のあるコンテンツ収集
OAI-SearchBot ChatGPT:Search用の検索インデックス作成
ChatGPT-User:ユーザーの質問・操作に応じて、その場でページを取得
この3種類とも1日分のログファイルに含まれていた。AIの学習用にはGPTBot、ユーザーからの質問に答えるためにその都度検索してくるのはChatGPT-User、みたいに役割分担がでてきているのがおもしろい。これがClaudeの場合だと、以下のようになる。
ClaudeBot:モデル開発・学習に利用されうるWebコンテンツの収集
Claude-User Claude:ユーザーの質問に応じて、その場でWebページを取得
こちらもしっかり来ていた。AIたちがウチのどの記事を学習したか/検索したかを知ることができるのは興味深いが、公開記事なんだから来てくれて当たり前ではある。検索エンジンと同じだ。
●ただ、困った面もある。ユーザーは検索エンジンで見つけた情報については、参照元のサイトを見に来てくれるが、AIで知った事柄については参照元にほぼ来ない。AIとユーザー間の会話だけで完結する。AIが強力になればなるほど、ユーザーが参照元にアクセスする機会は減るだろう。コンテンツ発信者側からすると、発信する意義が感じられなくなったり、ビジネスとして成立しなくなったりする。だが、AIの集合知とはもともと人間の発信者から学習してできあがっているわけで、その学習元がやせ細っていくという状況はAIが自分で自分の首を絞めているようにも思える。今後、発信者側はどうするのが正解か……ということを当のChatGPTと話し合ったのであった。