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September 29, 2026

バッハ・コレギウム・ジャパン 「英雄」とレクイエム ベートーヴェンへの道 vol.2

鈴木優人 バッハ・コレギウム・ジャパン
●27日は東京オペラシティでバッハ・コレギウム・ジャパン第174回定期演奏会~「英雄」とレクイエム ベートーヴェンへの道 vol.2。鈴木優人指揮で、前半にベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」、後半にケルビーニのレクイエム ハ短調。両曲は葬送行進曲とレクイエムというつながりがあるのみならず、ベートーヴェンの追悼のためにケルビーニのレクイエムが演奏されたという関連性がある。BCJならではの刺激的なプログラム。前半の「英雄」は二日前にルイージ&N響で聴いたばかりだが、それでもフレッシュな気持ちで聴けるのがこの曲。ピリオド楽器が生み出す音色はベールを一枚剥がしたような生々しさ。軋みを上げて驀進する活力みなぎるベートーヴェン。第4楽章コーダの唐突な祝祭性に改めて圧倒される。
●後半のケルビーニのレクイエム ハ短調は初めて聴いたけど、大きな発見。独唱者なしで、合唱とオーケストラのみによるレクイエム。オーケストラにフルートが入らないのも特徴的。しかも第1曲のイントロイトゥスではヴァイオリンも入らないので、ずいぶんと渋く、くすんだ色調で始まる。ブラームスの「ドイツ・レクイエム」を思い出さずにはいられない。一方で、第3曲ディエス・イレは劇的。なんと、タムタム(銅鑼)の一撃が入る。血沸き肉躍るオペラ調の曲想で、こちらはヴェルディのレクイエムのご先祖様か。19世紀後半の二大レクイエムの源流に出会った気分。第4曲オッフェルトリウムは対位法を駆使した見事なクライマックス。なるほど、ベートーヴェンがケルビーニを高く評価していたはずだと納得。おしまいのアニュス・デイのあとは完全な沈黙を保ってから拍手が沸き起こった。これだけ立派な作品だと、むしろ今なぜケルビーニがあまり演奏されないのかが気になってくる。