
●28日はサントリーホールでアントニオ・パッパーノ指揮ロンドン交響楽団。藤倉大の「アンバー・アルケミー」(Amber Alchemy)(世界初演)とマーラーの交響曲第2番「復活」からなるプログラムで、休憩なし。野村ホールディングス創立100周年記念公演と銘打たれ、藤倉作品もこれを記念して委嘱された新作。この後、ロンドンでも再演される。野村グループのロンドンのオフィスの屋上で目にした養蜂に触発されて書かれたという。事前にミツバチのイメージを知らずとも、群れをなす小さな生体が自在に飛翔するような印象を受けたと思う。巧緻なオーケストレーションによる鮮麗な作品。
●パッパーノのマーラーを聴くのは初めて。弦は対向配置だが、よくある並びと少し違って、第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、コントラバスの並び。棒を使わずに指揮。第1楽章からじっくり重めの足取りで、骨太で強靭なサウンド。オーケストラの機能性を活かした壮烈なスペクタクルがくりひろげられる。とくにブラス・セクションには驚嘆。ホールの空間が飽和するほどの凄まじい音圧なのだが、余裕すら感じる。独唱者はソプラノのマリア・ベングトソン、コントラルトのノア・ベイナルト。まろやかな声による第4楽章「原光」にほっとする。合唱は東京混声合唱団。80名規模でP席に陣取る。おそらくこれまでに聴いた「復活」のなかで、最上級の精緻な合唱。全体として、魂の叫びというよりは、明るい光で照らされたポジティブなマーラーだったと思う。
●舞台裏のバンダも含めて、これだけ大編成のオーケストラが来日してくれたのは僥倖。壮大な終楽章の後、客席は盛大な喝采。楽員退出時も熱のこもった拍手が続き、パッパーノのソロ・カーテンコールに。たっぷりと客席と喝采を受け止める様子に好感。
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●同時刻に開催されたニッポンvsベネズエラ戦の話題はまた明日にでも。
●東京はずっと雨が続いている。これで35日連続(!)の降水が観測され、最長記録を更新したのだとか。ガルシア=マルケスの「百年の孤独」でも、マコンドにずっと雨が降り続けたという記述があった。どれくらい続いたのか、確認してみたら4年11か月と2日だった。これくらい雨が続くと、小雨になっても人は「晴れる兆し」とは受け止めず、「大降りになる前兆」だとみなすという。なんという洞察。
September 30, 2026