December 13, 2006

凱旋しないラダメス

●ニューース、フラーーーシュ! ってことですでに各地で話題のように 「『アイーダ』公演中に主役歌手退場 観客のブーイングで」。スカラ座でのアラーニャ、まったく恐ろしいできごとである。それにしてもリンク先のアラーニャの写真なんだけど、クラシック者的にはどうということのない写真であるが、一般的にはこれ罰ゲームみたいに見えないかね→43歳、ラダメス将軍。
●舞台を投げたアラーニャに代わって、急遽登場した代役はアントネッロ・パロンビ(OperaNews)。ゼッフィレッリの豪華絢爛な舞台にジーンズ姿ってのもスゴい。
●スカラ座とアラーニャみたいなトップスターの世界だったらそういうことも含めてのオペラかもしれんが、地元のフツーの公演レベルでいうと、ブーイングっていうのは非常に心が痛む。ブーされる立場としてのワタシ/あなたというものを想像してみれば、0.01秒だってその場に立っていられない。ブーで許せるのは「ごっこ」としてのブー、マジになってブーは勘弁っていうか。「プロなら当たり前」みたいな論理に微塵も共感できない。営業で顧客のところに出向いたら、いきなりお客さんからいっせいにブーとか(笑)、取引先の担当者のブログに「今日の○×社の山田太郎は覇気がなく、客への奉仕の姿勢も希薄であった。このままでは山田太郎の未来は暗い。さらなる研鑽を積んでほしい」って日々書かれたりとか、職業人がみんなそんなふうに相互に評価しあう社会に住みたいかといわれたら、絶対にヤだな。他人の仕事や努力への敬意が低すぎて。
●でも舞台から勝手に降りるのはどうかと。代わりに歌手の側も対抗して客席にブーするってのはどうか。ダメか、ダメです。
●も一つ、やや旧聞。METオペラを歌舞伎座で上映 第1弾は大晦日「魔笛」。松竹がメトの公演を東京・歌舞伎座と京都・南座で上映(!?)する。題して「METライブビューイング」。ワタシのなかでの通称は「松竹歌劇」に決定。

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クラシックおっかけ日記 - オーケストラのトラブル (2006年12月13日 06:34)

また例によって火曜日はの☆だめ関係の情報が氾濫している。おかげでドラマを見なくても話題には付いていける。 先週マンガに対する細かい細かい突っ込みを書いたが、それだけでは失礼なので、現実にかなり近い部分も指摘しておこう。それは14巻以降に出てくるマルレ... 続きを読む

ミラノ・スカラ座の「アイーダ」で、野次を飛ばされたことに機嫌を損ねたロベルト・アラーニャが公演途中で舞台を放棄したというニュースが、世界中を駆け巡っています。 ニューヨーク・タイムズの記事 オペラニュースの記事 英ガーディアンの記事 BBCニュースの... 続きを読む

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