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April 8, 2009

ゾンビと私 その2 「ドーン・オブ・ザ・デッド」

●最近、海外のネットラジオを聴いてるとやたらと受難曲だのオラトリオだのにぶつかるなあと思ったら、もうすぐ復活祭じゃないっすか。えーと、今年は4月12日か。復活するかなあ、死者が……ウジャウジャと。ってわけで、本日もゾンビについて語りたい。
「ドーン・オブ・ザ・デッド」●ゾンビ映画における21世紀の新しいスタンダードはどれかと問われたら、迷わず挙げたいのがこの「ドーン・オブ・ザ・デッド」(ザック・スナイダー監督)だ。なんて偉そうに言ってみたくて言ってみたが、ホントはそんなことをいう資格はワタシにはないのだ、なぜならばこの「ドーン・オブ・ザ・デッド」、ジョージ・A・ロメロの歴史的傑作「ゾンビ」のリメイクとして作られたというのだが、ワタシはその肝心のオリジナルのほうを見ていない。ていうか、見はじめたんだけど、怖くて見てられなくて序盤で脱落したんすよ、ホント気持ち悪いし。そんな根性なしがどうしてこの「ドーン・オブ・ザ・デッド」を最後のエンディングまで見れたのか、今にして思うと謎すぎるのだが、この新「ゾンビ」のほうも相当に怖い。怖いといってもホラー的な、あるいはスプラッター的な恐怖ではない。とにかく「感じが悪い」。見てるとどんどんイヤ~な気分になる傑作なのだ。ここに予告編があるから見たい方はどうぞ。この映像はそんなに怖くないので比較的安心、たぶん。
●で、このゾンビも「28週後……」と同じく、走るんすよ。全力疾走するゾンビ。「疾走する悲しみ」といえば、これほど悲しい状況はないだろってくらい。で、これはオリジナルの設定を引き継いでいるようなんだけど、みんなでショッピングモールに立てこもるんすよ。何でもモノがそろってるから立てこもるにはいい場所でもあり、また人間のエゴとエゴが醜くぶつかり合う場所として消費社会のシンボルであるショッピングモールほどふさわしいところもない。とことん絶望的な状況である一方で、全般にかなりブラックなユーモアが散りばめられており、どんよりした気分で歪んだ笑いで引き攣りながら鑑賞するには最適な映画である。オリジナルとは別物と批判されることも多いようだが、この過剰なバッドテイストはゾンビ映画の王道なんじゃないだろうか。
●暗闇で出会って怖いものといったら、そりゃ幽霊も怖いし、野生動物とかも怖いし、虫とかも怖い、場合によっちゃ鳥も怖い、でもいちばん怖いのは人間だよね、すなわちゾンビ。
●DVDについているオマケ映像「番組の途中ですが緊急特別番組をお送りします」(ニコ動なので要登録でスマソ)がまたエグい。ホント、ヤになるね、ひどいね、ゾンビは。でもまだまだ不定期に続きます、「ゾンビと私」。

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不定期連載「ゾンビと私」

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