May 16, 2012

シューマン、ライマン、ゾンビ、オネゲル

●15日(火)はサントリーホールで下野竜也指揮読響。ライマンの「管弦楽のための7つの断章 ロベルト・シューマンを追悼して」日本初演、シューマンのヴァイオリン協奏曲(三浦文彰独奏)、シューマンの交響曲第2番というシューマン尽くし。後半の第2番は快演。こんなにすっきりさわやかさんなシュマ2がありえるなんて、目から鱗。まるでメンデルスゾーンでも聴いているかのよう。混濁した響きの中に狂気がうごめいてます的な類型的な期待をバッサリ切り捨ててくれてた。
●ライマン作品は今後日生劇場開場50周年記念公演で読響がオペラ「メデア」「リア」を演奏するということで、その予告編的選曲でもあり、またシューマンのヴァイオリン協奏曲第2楽章の「天使の旋律」が引用されているオマージュ作品でもあり。これ、1988年の作品なんすね……。「メデア」「リア」に関しては音だけならNMLでOehmsの録音を聴けるので、この小曲だけじゃ物足りない方はとりあえずそっちで聴くのが手っ取り早いかも。
●12日(土)は18時からNHKホールで尾高忠明指揮N響定期が開かれたのであるが、それに先立つ13時〜15時、代々木公園でゾンビウォーキング開催との情報をゲット。惜しい、もう少しでゾンビとN響が重なったのに! いやむしろ先にゾンビウォークしてその後にN響定期に来たいお客さんには好都合というべきか。何しろメイン・プロはデュリュフレのレクイエム。死者のためのミサ曲を生ける死者が聴くという完璧な構図が完成する。
●原宿に足を運んでみると、もうゾンビはどこにも見当たらず、むしろNHKホール前のタイ・フェスティバルが超絶大盛況。原宿駅からして入場規制されており、混雑のあまり前に進めず、歩行速度はゾンビ並みに。
●オネゲル「夏の牧歌」、ショパンのピアノ協奏曲第2番(ギャリック・オールソンが流麗なソロを聴かせてくれた)、デュリュフレのレクイエムとひたすら美しい音楽に浸った。合唱は新国立劇場合唱団も見事。オネゲルのホルン・ソロは元・日フィルの福川氏(現N響契約団員)。陶然と聴き惚れてしまう上手さ。たとえるならルーニーがエヴァートンからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したときみたいな気分に。

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