October 29, 2013

さらにノリントン&N響のベートーヴェン

●先週26日、ノリントン&N響へ(NHKホール)。この日はオール・ベートーヴェン・プロ。「レオノーレ」序曲第3番、ラルス・フォークトのソロでピアノ協奏曲第3番、交響曲第5番「運命」。協奏曲はこれまでと同様、独特の配置。舞台中央にピアニストが客席に背中を向けて座り、その奥の左手にノリントンが立つ(いや、椅子があるから座る、か)。オケのなかに指揮者がいて、客席側に斜めに顔を見せる。ピアノの左右に第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがともに斜め45度くらいの角度をつけて舞台奥を向いて座る。放射状配置とでも名付ければいいのか。
●フォークトは精妙なタッチで、モダンピアノの機能性を最大限に発揮した豊かで繊細な響きの芸術を披露してくれた。ピュアトーン仕様のノリントン・スタイルとの異種格闘技なんだけど、ピアノとオケとの対話性は抜群にあって楽しい。アンコールにショパンのノクターン第20番嬰ハ短調。
●後半の「運命」は倍管編成で視覚的にも壮観。第1楽章が終わったところで、ノリントンは客席に向いて「あれ?拍手はしないの?」とばかりに手を叩いてみせる。ピリオド聴法推奨(笑)。そして、あちこちに仕掛け満載ですべてがびっくりシンフォニーになるノリントン節炸裂。真摯な芸術表現には笑いが必要なのだなあ。客席は盛大に沸いた。執拗なブーが推定一名、しかしブラボーの声が圧勝。近くの席から「ブラボーとは叫べないんだけど、どうにかして感動を伝えたい」という感極まったオジサンの「ウヒョ~~~」みたいな繊細な呻き声が聞こえてきたが、気持ちはよくわかる。ノリントンはまた両手を広げてドヤ・ポーズ。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「NMLに参集するレーベルたち」です。

次の記事は「「グラゼニ」(森高夕次、アダチケイジ著)」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ

国内盤は日本語で、輸入盤は欧文で検索。