January 23, 2014

下野竜也&読響のヘンリー・ウッド版「展覧会の絵」

●18日は東京芸術劇場で下野竜也指揮読響。凝りに凝ったトランスクリプション・プログラムで、前半はバッハのオーケストラ編曲を4曲、後半はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」のヘンリー・ウッド編曲版。これを逃したらいつ聴けるのかと思うような魅力的なプログラム。
●前半のバッハは、オネゲル編の「前奏曲とフーガ」BWV545、レーガー編の「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV622、ホルスト編の「ジーグ風フーガ」BWV577、ラフ編の「シャコンヌ」BWV1004。開演に先立って下野さんの短いトークがあって、この4曲が4楽章制の交響曲に見立てられたものであることが説明されて、なるほどと納得。緩徐楽章相当のレーガー編曲は弦楽のみ。スケルツォやメヌエットが置かれる第3楽章には舞曲つながりで「ジーグ風フーガ」、終楽章は「シャコンヌ」(ブラームスの交響曲第4番のパッサカリア≒シャコンヌのように)。シャコンヌは有名な?ストコフスキ版ではなくラフなのだ。今やシンフォニー・オーケストラのコンサートでバッハを聴く機会はなくなりつつあるが、これはこれで19世紀後半~20世紀初頭にかけての歴史的バッハ像として、可能性の広がりを感じさせる。
●ヘンリー・ウッド版「展覧会の絵」は有名なラヴェル版に先立つ編曲。饒舌な打楽器群をはじめ全般にエンタテインメント度の高いヤンチャな音楽になっていて楽しい。ラヴェル版の洗練からははるか彼方の世界。主題を金管楽器ではじめ、弦楽器で引きとる「プロムナード」はラヴェル版ともストコフスキ版とも違ったテイスト。しかし2回目以降の「プロムナード」は省略されるのであった、ヘンリー・ウッド卿といえば「プロムナード・コンサート」の創始者なのに。
●アンコールはストコフスキ編の「G線上のアリア」。このプログラムで名前が出てくるはずの人が、最後にようやく出てくるという趣向。
●ちなみに2010年の「プロムス」で、グザヴィエ=ロトがこのヘンリー・ウッド版「展覧会の絵」を指揮している。以下に動画も。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「通販ジャンキーの夢」です。

次の記事は「冷蔵庫をハックする」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ

国内盤は日本語で、輸入盤は欧文で検索。